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2025年5月16日

令和7年度税制改正を踏まえた個人事業主の小規模企業共済とイデコの受け取り方法について


いつもお世話になっております。みそら税理士法人の谷本でございます。みなさまいかがお過ごしでしょうか。 今回は、最近私の顧問先様からも問い合わせが急増している令和7年度税制改正のあるテーマについて解説していきます

令和7年度(2025年度)の税制改正により、個人事業主が利用する「小規模企業共済」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の受け取り方法に重要な変更がありました。以下に、それぞれの制度の改正内容と、受け取り時の税制上のポイントを整理します。

 

【小規模企業共済の受け取り方法】

小規模企業共済は、個人事業主やフリーランスの退職金制度であり、掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税です。
<受け取り方法>
小規模企業共済の受け取り方法には、以下の3つがあります。
1.一時金での受け取り:掛金の積立額を一括で受け取る方法。
2.年金での受け取り:毎月一定額を年金として受け取る方法。
3.併用受け取り:一部を一時金で、残りを年金で受け取る方法。
→受け取り方法によって、税制上の取り扱いが異なります。一時金で受け取る場合、退職所得控除が適用され、税負担が軽減されます。年金で受け取る場合は、公的年金等控除が適用されます

<税制改正の影響>
令和7年度の税制改正により、小規模企業共済の受け取りに関する大きな変更はありません。引き続き、受け取り方法を選択する際には、老後の生活設計や税負担を考慮することが重要です。

 

【iDeCo(個人型確定拠出年金)の受け取り方法と税制改正】

iDeCoは、個人が任意で加入し、老後資産を積み立てるための制度で、掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税となります。受け取り方法には、年金形式と一時金形式があります。

<受け取り方法>
• 年金形式:60歳以降、毎月一定額を年金として受け取る方法。
• 一時金形式:60歳以降、一括で受け取る方法。

 

【税制改正のポイント】

1. 掛金上限の引き上げ
令和7年度の税制改正により、iDeCoの掛金上限が引き上げられました
• 第1号被保険者(個人事業主・フリーランスなど):月額6.8万円 → 7.5万円これにより、拠出期間(運用期間)の減税効果が高まります。

2.受取時の退職所得控除「5年ルール」が「10年ルール」へ変更
・iDeCoの受け取り時に適用される「5年ルール」が「10年ルール」に変更されました。この改正は2026年1月1日以降に支払われる退職一時金から適用されます
・ 現行の「5年ルール」:一時金を受け取った後、5年以上経過してから退職金を受け取れば、それぞれに対して別々に退職所得
控除が適用され、税負担が軽減されます。
• 改正後の「10年ルール」:この経過期間が5年から10年に変更されます。例えば60歳でiDeCoの一時金を受け取り、65歳で退職金を受け取る予定の人は、退職所得控除を満額利用できないため税金が増える可能性があります。
→小規模企業共済とiDeCoの両方に加入している場合、一括受け取りを同じ年に行うと退職所得控除が重複計算されず、税負担が増えるため、受け取り時期を10年以上離すことが重要です。

 

【まとめ】

①小規模企業共済 一時金・年金・併用 特に変更なし
②iDeCo(個人型DC) 一時金・年金 ・掛金上限が引き上げ(第1号被保険者:月額7.5万円)

受取時の「5年ルール」が「10年ルール」に変更(2026年1月1日以降)

iDeCoの受け取り方法を選択する際には、退職金との受け取り時期の調整が重要です。特に、退職金を先に受け取る場合、iDeCoの一時金の受け取りを遅らせることで、退職所得控除を最大限に活用できる可能性があります。具体的な受け取り時期や方法などについては、弊法人までお気軽にお問い合わせください。

 

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