経営改善の手法よりも大切な”心構え”とは|大阪の税理士【みそら税理士法人】

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経営支援
2015年9月8日

経営改善の手法よりも大切な”心構え”とは


こんにちは。廣岡会計事務所 廣岡でございます。

廣岡

 

廣岡会計事務所に参画する前は、(株)企業再生支援機構(現:(株)地域経済活性化支援機構)に在籍しており、企業再生関係の貴重な経験を積ませて頂きました。

皆様には馴染みのない会社だと思いますので、簡単にご紹介したいと思います。

2009年に国から認可された組織であり、弊職が在籍していた当時の主な業務は、苦しくなった会社に出資や融資を行うとともに、自ら投資先企業の経営に参画しておりました。

いわゆるハンズオンと呼ばれる業務を行っていました。

 

会社名よりも案件名の方が有名で、日本航空(株)、(株)ウィルコム(現在のブランド名Y!mobile)や(株)中山製鋼所に関与した会社と言えば、ご存じかもしれません。

 

その経験から、みそら税理士法人でも経営改善(黒字化)のお手伝いをさせて頂くケースが多々ございます。

 

その際、経営改善(黒字化)を行う上で立案した戦略がうまく機能しないケースが散見されます。

何故、うまく機能しないのか、経営改善(黒字化)が失敗するのか、その要因を記載したいと思います。

 

time concept drawn by hand

 

その一:現状に満足してしまう

現状に満足している状態が会社全体に蔓延している状況では、新たな経営改善(黒字化)のために行う施策は、自分たちにとっては不必要な作業でしかなく、行わない理由を探してしまい、結局は変革を推進されなくなってしまう。

よって、危機意識を生み出すことがスタッフから貢献を引き出す上で重要であると思います。

 

どうして現状に満足してしまうのでしょうか。

様々の理由がありますが、以下の3つはどの業種・業界・企業規模であっても、当てはまると思います。

 

誰が見ても危機だと思う状態が訪れていない。

赤字でもないし、従業員がリストラされた訳でもない。ただ、年々売上・利益が年々減少しているが、従業員が危機感を感じていない。危機感を感じているのは経営陣のみというケースです。

 

社内にムダがある。

社用車が高級車であったり、過度に立派な本社ビルを構えている中では、中々従業員の間に危機感が生まれにくいと考えます。

 

低すぎる業績目標。

成熟した業界が多い(=中々、市場規模が増加しない)中、常にチャレンジし続けて丁度良いぐらいであるが、目標設定が低すぎるため、従業員がストレッチしない。一方、高すぎる目標は、始めから諦めムードが漂うため、高すぎる目標も考えものであります。

ではどうすれば危機感を熟成することが出来るのでしょうか。

あくまで一例ですが、以下の方策が効果的だと考えます。

経営陣が企業が抱える問題点を従業員に何度も伝えるとともに、その問題点を克服すれば、将来待っている希望・機会を示す。

競合と比較して自社の弱みを従業員に数多く開示する。

仮に業績が良くても、「うまくいっている。」ということを経営陣から発信してはいけない。

過年度の傾向から算出した目標ではなく、ある程度ストレッチした目標を設定する。

過度に贅沢な資産を売却する。

『 社内で蔓延する現状満足の雰囲気が生まれることを防ぎ、意図的に危機感を生み出す 』ことが経営陣の大きな役割だと思います。

 

その二:経営者が変革にコミットしない

会社のトップである経営者が変革に対しコミットせず、積極的に支援しない場合、当然、スタッフも変革を推進する意義がなくなり、変革が失敗するのは自明であると思います。

また、私たちのように外部から支援する立場も同じで、経営者が変革にコミットしてくれない場合、改善を推進することが困難になってしまう場合が本当に多いです。

現場サイドやスタッフは、やはり「現状の業務や営業手法を変更したくない」というのが本音です。

長年続けてきた、やり方は慣れていますし、変えることでのストレスも当然あります。しかし、経営者がビジョンを示して、変革にコミットすることで少しずつですが、改善していけるものなのです。

経営者が変革にコミットするというのは最重要項目だと考えています。

 

その三:将来ビジョンを社内に打ち出していない/共有できていない

ビジョン(=将来のあるべき姿、なりたい姿)を示すことで、2つの効果があると思っております。

 

1、具体的な方針が明らかになり、今後の意思決定が容易になる

2、スタッフに対し、正しい方向を目指して行動を取っていくことを促すとともに、スタッフの行動を纏めることができる

 

短期勝負の一面がある経営改善では、短時間に全社員が一丸となって経営課題に立ち向かう必要があるため、ビジョンの設定及び社員間での共有が必要であると思います。

どのようなビジョン(=将来のあるべき姿、なりたい姿)を設定するのが良いのでしょうか。

優れたビジョンの特徴を列挙したいと思います。

 

将来の姿を明確に表していること。

ビジョンをつくるだけでは不十分で共有されないと意味がないので、どんな人が見ても、頭に絵が浮かんでくる内容が優れていると思います。

 

なお、弊社では「お客さまが100年続く企業になって頂くために、お客さまとともに成長し、お客さまの良きパートナーになる。」ことを目指しております。

 

実現可能であること。

ビジョンは絵に描いた餅ではなく、必ず実現する/したいことを記載したものです。そのためにはビジョンを達成するための行動指針が重要で、行動指針も合わせて設定することが大切です。

 

なお、弊社では、「常に感謝の気持ちを持って、お客さまに対し、高品質なサービスを提供する」、「専門家としての知識・経験の提供はもちろん、お客さまが言葉にされないニーズをも先読みしサービスを提供する」ことを心がけております。

ビジョンの策定は、人々の心を動かす必要があるため、とても難しく時間が掛りますが、将来の方向を示すためにも重要な事項だと考えます。

 

その四:だらだらと行ってしまう

『まずは短期的に効果が出る施策を行い、成果を出すこと。』

『その後、時間がかかる・難易度の高い施策へ移行する。』

これが重要だと思っております。

自分たちが行っていることが正しい方向であり、間違いでないことが効果として見えることで、スタッフのモチベーションをあげることが理由です。

また、始めは変革に賛成しないスタッフに対し、目に見える成果を短期的にあげることで、少しでも行動してもらうことを促す効果もあります。

綺麗な戦略・戦術を立案しても、実行しなければ意味がありません。まさに絵に描いた餅です。

よって、今回は変革を実行に移す上での心構えを記載致しました。

企業を取り巻く環境が今よりも安定に向かい、変化が起こらないのであれば、変革の必要は少ないと思いますが、今後も、今以上に、ビジネス環境が変化することが予想されるため、変革を行う圧力は今まで以上に増大すると考えます。

 

『最も強いものが生き残るのではない。』

『最も強い種や最も賢い種ではなく、最も変化に強い種が生き残る。』

出典:チャールズ・ロバート・ダーウィン『種の起源』

 

会計事務所も同じですが、20年後も今の事業が生き残っている保証は誰も出来ないと思っております。

参考までに、週間ダイヤモンド8/22号によると、機械に奪われそうな仕事ランキングが発表され、会計士(会計事務所)は2位にランクインされました。

2位という高順位でランクインされ、弊所でも今までと同じことを行っていては、今後、仕事がなくなるという危機感があります。

そこで、弊所では、一般的な会計事務所が行っている税務申告や記帳代行のみを行わず、経営支援であったり、資金調達支援もサポートさせて頂いておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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