こんにちは。みそら税理士法人でございます。
徽章(きしょう)・記章とも呼ばれるバッジと言えば、ドラマやメディアでもよく見かける弁護士や国会議員のものが有名ですよね。
税や会計のプロフェッショナルである税理士と公認会計士にも、もちろん立派なバッジがあるのをご存じでしょうか。
身分や職業をあらわす『しるし』として洋服などに付けるのがバッジですが、税理士や会計士ではあまり付けている人を見かける機会が少なく、まったく見たこともなくてどんなデザインなのか思い浮かばないという人も少なくないかもしれませんね。
そんな税理士バッジや、公認会計士バッジのデザインが持っている意味や両方の資格を持っている人の場合は、どちらのバッジを付けたら良いのか!?などの疑問について解説します。
税理士バッジの意味
税理士バッジは、昭和31年(1956年)に制定されました。
税理士登録が認められた後に執り行われる『交付式』で税理士証票(運転免許証のようなサイズのカード)や、会員門標とともに直接授与されるのが税理士バッジです。
円形をしたそのバッジの中央上部には、制定当時の大蔵省のシンボルとして使われていた日本の国花である『桜花の図』が描かれています。
その周りを日本の『日』が縁取っている日輪のデザインになっており『日』がどこまでも限りなく降昌※(りゅうしょう)することを意味しています。
税理士バッジは大蔵省造幣局で作成され、裏には登録ナンバーが刻印されています。
交付式で授与されるバッジは銀製ですが、自主的に購入できる白金(プラチナ)製の税理士バッジもあります。
プラチナ製のバッジの価格は15,000円ほどで、授与されるバッジよりも一回り小さなサイズです。
ちなみに各税理士会のホームページには『正規の税理士は税理士票をもち、バッジを付けています』としっかりと記載されています。
※:勢いの盛んなこと。栄えること。
公認会計士バッジの意味
公認会計士バッジは、1950年に制定された会員証※から、2009年に会員証細則の改正によって60年ぶりにデザインが新しくなりました。
下の写真が旧デザインの公認会計士バッジです。
バッジの全面に描かれている金と黒の『正方形』は、個別に働く『会計士一人一人の力』をあらわしています。
そして正方形のもつ安定感は、経済社会の安定を意味します。
そんな正方形の集合をグローバルなイメージの『楕円形』に切り取ったバッジは、世界経済を守る公認会計士の誇りを表現しているのです。
それまでの公認会計士バッジよりも少々アバンギャルドなデザインが特徴で、ダムシン仕上げのマットな質感です。
税理士バッジと同じように、裏側には登録ナンバーが刻印されています。
ちなみに、公認会計士の”会員章細則第2条第1項では『会員は、会員章は会員の身分を象徴するものとして認識し、業務を行うときは常にこれを着用しなければならない』と書かれていますが、実際に会計士バッジを付けている人はとても少ないです。
後述いたしますが、税理士登録をして税理士業務をメインにしている場合は、公認会計士としての本来業務をしないので、バッジをしないのは分かるのですが、監査法人に勤務している公認会計士もバッジをしている人は非常に少ないです。(というか、全くいません)
理由は、いくつか考えられるのですが(ダサいとか)、一番大きな理由としては『着ける必要性がない』ことが一番だと思います。
弁護士であれば、裁判所への出入りの際や拘置所などでの接見の際に必ずバッジの確認が必要なことや、一般の方へ弁護士であることを分かってもらう際にバッジを見せるなどバッジが機能しています。
一方で公認会計士のバッジが機能する場面はまずありません。
バッジを着けてないと資料を閲覧させてもらえないや関与先と打ち合わせできない、監査に立ち会えないなどのバッジに機能があれば着用すると思いますが、現在のところ全く『機能』がありませんので着用しないのだと思います。
また、そもそも公認会計士の中には、監査業務や税務会計業務を全くしないという人もいるということも一つの要因だと思います。
財務デューデリジェンスや経営コンサルティング、投資顧問などの業務を行う場合は公認会計士としての知識を活かした業務内容というだけで、公認会計士しかできない独占業務ではありませんので、そもそも公認会計士の資格すら必要なくなってしまっているという場合もあります。
※:旧デザインの公認会計士バッジは、英語での公認会計士を意味『Certified Public Accountant』の頭文字『C.P.A』がデザインされていました。
公認会計士・税理士どちらの資格も持っている場合は?
公認会計士の資格を取得した人は、税理士会に登録・申請をすれば税理士の資格も取得できます。
そのため、資格バッジも2つ取得できることになります。
でもその場合、どちらのバッジを付けたら良いのかという素朴な疑問が湧いてくる人もいますよね。
しかし、普段の業務の中ではまったくバッジを付けないという人も少なくありません。特に若い税理士や公認会計士は着けない人が多いです。
当事務所のスタッフや代表の税理士や公認会計士でも普段は着けていない方が多いです。
また、税理士登録していない公認会計士資格のみを持っている人でも公認会計士のバッジは着けない現状なので、どちらの資格ももっていた場合でも着けるとしたら税理士バッジということになります。
日ごろ税理士バッジを付けない人でも確定申告の無料相談や調査対応、税務署での青色申告のときなどは付ける場合が多いです。
公認会計士・税理士のバッジについてのまとめ
狭き門を突破して手にした公認会計士や税理士の資格を生かし、社会的使命感を持って実際に働いているということの『証』となるのがバッジです。
しかし、弁護士や国会議員などとは違い、セキュリティー上などの関係から常にバッジで周囲に職業をアピールする必要性が低いため、日常業務のなかではバッジを付けない人も多いです。
前述したように、税理士会でも公認会計士法でもバッジの着用を薦めているものの、その着用率はほとんど高まっていません。
テレビなどに出演する際は、公認会計士の方もバッチの着用をお願いされるようですが…。
いずれにせよ、税理士バッジや公認会計士バッジの存在は絶対的なもので、資格を持っている人はバッジをとても大切にしています。
万一紛失してしまった場合は、再交付申請書・亡失損壊届書・写真提出・始末書を書いて再交付の手続きを踏まなければならないからです。手数料も6,000円かかります。
損壊している場合には、壊れたバッジを書類とともに提出する必要があり、手数料は2,500円です。
バッジを悪用されないために裏面には登録ナンバーがしっかりと刻印されていますが、うっかり無くしてしまうとなにかと大変なのです。
(ちなみに、各税理士会では年に一度、税理士証票と税理士バッジを所持しているかのチェックを行っています。)
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