遺言がもっと身近に。自筆証書遺言の方式緩和と法務局での保管について|大阪の税理士【みそら税理士法人】

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2019年5月7日

遺言がもっと身近に。自筆証書遺言の方式緩和と法務局での保管について


こんにちは。みそら税理士法人の矢野です。

GWのお休みも終わり、今日からお仕事の方も多いのではないでしょうか。

長期のお休みをされていた方は、なかなか元のリズムに戻すのが大変ですが、頑張りましょう。

さて、今回は相続法(民法)の改正により、自筆証書遺言の見直しについて記載したいと思います。

遺言の方式

遺言の方式には、主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。

「自筆証書遺言」

自筆証書遺言は、簡易な方式の遺言であり、自書能力さえ備わっていれば他人の

力を借りることなく、いつでも自らの意思に従って作成することができ、手軽かつ

自由度の高い制度です。ただし、財産が多くある場合は、相当の負担になったり、

要件をきちんと整備していないと、将来無効になったりとデメリットもあります。

「公正証書遺言」

公正証書遺言は、法律専門家である公証人の関与の下で、2人以上の証人が立会うなど

厳格な方式に従って作成され、公証人がその原本を厳重に保管するという信頼性の高い

制度です。また、遺言者は、遺言の内容について公証人の助言を受けながら、最善の遺言

を作成することができます。また、遺言能力の確認なども行われます。

 

自筆証書遺言の緩和

これまでは、自筆証書遺言を作成する場合には、全文を自書する必要がありました。

今回の見直しにより、「財産目録」については手書きではなく、パソコンで作成したり、

通帳のコピーを添付したりすることが出来ます。

ただし、作成した「財産目録」すべてに署名押印する必要があります。

こちらは、2019年1月13日に施行されています。

出展:法務省HP

 

法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設について

これまでは、自筆証書遺言は遺言者自身が保管し、死亡後に家庭裁判所の検認が必要でした。

自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することが

できるようになります。

ただし、作成した本人が遺言書保管所に来て手続きを行う必要があります。

遺言者の死亡後に、相続人や受遺者らは、全国にある遺言書保管所において、

遺言書が保管されているかどうかを調べたり、遺言書の写しの交付を請求したり、

閲覧をすることが出来るようになります。

これにより、遺言書保管所に保管されている遺言書については、家庭裁判所の検認が不要になります。

遺言書の閲覧や写しの交付が行われると、遺言書保管官は、他の相続人に対し、遺言書を保管している

旨を通知します。

こちらは、2020年7月10日施行されます。

出展:法務省HP

 

遺言書の活用

今回の見直しにより、遺言書がますます身近な存在になっていくと思います。遺言書は、

遺言者の最後のメッセージであり、相続トラブルにならないためにも有効な手段と

言われていますので、ご検討されてはいかがでしょうか。

 

 

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