こんにちは。はるか労務管理事務所 白濱です。
今、介護を理由に会社を辞める人が増えています。
現在、日本では全国民の4人に1人が65歳以上の高齢者となり、働き盛りの世代3人で1人の高齢者を支える超高齢者社会を迎えています。
このような中、家族の介護等を理由に離転職する方が年間100万人に達しています(総務省平成24年「就業構造基本調査結果」)。
この「介護離職問題」、最近ではメディアでもよく目にするようになりました。
ニュースを見て、「今は両親は元気だけど、将来介護が必要になったらどうしよう」と不安を覚えている従業員さまは少なくないと思います。
また、ある日突然従業員から「介護が必要になったので、休ませてほしい」と申し出があるかもしれません。その時、事業所さまはどのように対応しますか。
『育児介護休業法』とは
『育児・介護休業法』とは、労働者が仕事と介護・育児を両立して働き続けるために定められた法律です。
育児・介護についての休業、休暇、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間の短縮等の措置が定められています。
育児・介護休業法の実施について、行政は、事業主に対し報告を求め、指導、勧告をすることができます。
その指導に対し報告を怠ったり、虚偽の報告をした事業所には最大20万円の過料を課し、勧告に従わない場合は企業名を公表することがあります。
育児・介護休業法の改正内容について
介護をしながら働く方や、有期契約労働者の方が育児・介護休業を取りやすくなるよう、平成29年1月1日より下記の改正が行われます。
改正内容 | 現行 | 改正後 | |
1 | 介護休業(93日:介護の体制構築のための休業)の分割取得 | 原則1回に限り、93日まで取得可能 | 対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として、介護休業の分割取得を可能。 |
2 | 介護休暇(年5?)の取得単位の柔軟化 | 1日単位での取得 | 半日(所定労働時間の二分の一)単位の取得を可能。 |
3 | 介護のための所定労働時間の短縮措置等(選 択的措置義務) | 介護休業と通算して93日の範囲内で取得可能 | 介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用を可能。 |
4 | 介護のための所定外労働の免除(新設) | なし | 介護終了までの期間について請求することのできる権利として新設。 |
5 | 有期契約労働者の介護休業の取得要件の緩和 | 有期契約労働者について、?当該事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上であること ?休業開始予定日から93日を経過する日以降も雇用継続の見込みがあること ?93日経過日から1年経過する日までの間に更新されないことが明らかである者を除く | ?当該事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上であること?93日経過日から6ヵ月を経過する日までの間に、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者 とし、取得要件を緩和する。 |
年内中に整えましょう!改正法に対応した『育児・介護休業規定』
「育児・介護休業規定」は作成していますか。
規定の作成は義務ではありませんが、社内の育児・介護に関するルールを見直し、整えておくことは、いざとなったときにあわてず、無用なトラブルを生まないためにも大変重要だと言えます。
また、従業員さまにとっても、介護が必要になったときの会社のバックアップ体制を知ることで、長く安心して働けることにもつながります。
『育児・介護休業規定作成サービス』のご案内
『はるか労務管理事務所』では、育児介護休業規定の作成、変更手続きを承っております。
今回は、1件2万円の特別価格にてサービスをご提供いたします。
くわしくはリーフレットをご覧ください。
『介護離職防止支援』に対する助成金について
先日、『改正雇用保険法施行規則』に関するパブリックコメントが出されました。
その内容には、介護離職防止の支援に対する助成金の創設案が見られます(現在は「介護支援取組助成金」)。
仕事と介護の両立は、国が重点を置く政策の一つであり、今後、この政策にかかわる助成金の拡充が期待されます。
労働者人口が減少し、人の採用が難しい現在、介護が理由で貴重な人材が職場を離れてしまうことは、事業所さま、ご本人両者にとって大きなダメージを与えます。
従業員さまが長く安心して働ける職場は、事業所さまにとっても大きなプラスとなります。
はるか労務管理事務所は、事業所さまの規定、体制作りのお手伝いいたします。
ちょっとした疑問などもお気軽にお問合せください。
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