こんにちは。みそら税理士法人でございます。
税理士は儲からないとか仕事が減っているとか言われ始めています。
IT化やAIの発達で人間の仕事が減っているせいでしょうか。
でもそれは、税理士などの士業と呼ばれる職業だけではありません。
あらゆる職業が厳しい状況にあるのも事実です。
でもその一方で稼いでいる税理士は存在します。
その違いはいったいなんなのか。
税理士が儲からないと考えられている理由と、稼げる税理士は何をしているのかについて解説します。
税理士の平均年収
税理士の平均年収についてネット検索すると、700万円などというザックリした数字を見たことがある人も多いかもしれませんが、じつは税理士の正確な平均年収のデータはありません。
しかし厚生労働省が毎年発表する「賃金構造基本統計調査」を参考にすれば、平均年収をある程度ですが把握できます。
平成30年度:賃金構造基本統計調査書(勤続約10年の場合)
- 従業員規模10人以下:約675万円/月収約48万円/勤務時間171時間(月)
- 従業員規模1000人以下:約940万円/月収約58万円/勤務時間159時間(月)
さらに年間賞与では従業員10人以下規模で約99万円、1000人以上規模の大手税理士事務所では約246万円と2倍以上の差です。
働いている人の平均年齢も中小規模の事務所は44.6歳なのに対し大手では37.4歳という違いがあります。
就職の段階で税理士事務所を選ぶ際、”大手事務所を選べば年収を上げることができる”と言えます。
最大手はBIG4(KPMG税理士法人・PwC税理士法人・EY税理士法人・デトロイトトーマツ税理士法人)と呼ばれる4つの税理士事務所が代表的。
次いで、大手、準大手と規模が小さくなり、それ以外の大部分は中小規模の事務所なのです。
ただ、ここで説明したのはあくまでも勤務税理士の場合ですので、独立した税理士の場合は、業務内容等によっては、紹介した年収の数倍を稼ぐことも可能です。
税理士が儲からないと考えられている理由
中小規模の税理士事務所に勤務していることだけでなく、税理士の仕事がなくなるのではないかと言われていたり、昔に比べて税理士の仕事は儲からなくなったと言われたりしています。
その理由をチェックしていきましょう。
会計ソフトの普及
昔から会計ソフトは存在していたものの、ある程度の税知識がないと使いこなすのが難しいものばかりでした。
しかし近年では、税の素人にも分かりやすく使いやすいクラウド会計ソフト(freeeやマネーフォワード)が普及しています。
税理士に仕事を発注しなくても会社内で税金の計算が完了できるので、経理の仕事の効率化に繋がる反面、税理士の仕事の一部が会計ソフトに取って代わられたことになります。
そのため、会計などの計算業務や税務申告しかやっていない税理士は顧問料しか入らないため、かなり厳しい状況になっていると言われているのです。
定年がないからベテランが辞めない
税理士の世界はサラリーマンと違い定年が決められていません。
そのため”ベテラン”と呼ばれる世代の税理士がずっと現役として働き続けるため、若い税理士が独立して稼ぐことが厳しい状況になっています。
そのうえ、ベテラン税理士には長年培ったスキルと信用があります。
税理士のようにお金を取り扱う世界では信用第一。
ベテラン税理士に長年仕事を任せているという企業も多いのです。
さらに国税OBなどになると、中小企業からの顧問依頼が集中しやすく、その安心感から新規顧客も増えやすい傾向にあります。
新人税理士にとって大きな壁でもあり、仕事が回って来ず稼げない原因となっています。
稼げる税理士は何をしているのか
儲からないと嘆く税理士がいる一方で、しっかり稼げる税理士は何が違うのでしょうか。
それは、『経営に詳しい税理士かどうか』という違いです。
もちろん経営に詳しいだけでは終わりません。
赤字に悩む企業を黒字化させるためだったり、会社をつぶさないで継続させたいという応援の気持ちだったり、税金だけでなく経営に踏み込む付加価値の高いサービスを提供しなければなりません。
クラウド会計ソフトなどを活用して空いた時間は、個別に経営相談や税務相談などをより具体的で再現性のある提案をするために使います。
そのほか稼げる税理士の特徴は以下のようになります。
- 税理士であること以上に人間しかできない部分に注力し、専門性の高い業務が行える
- 税理士のとっつきにくいイメージや堅苦しさがなく、相談しやすい
- 会話ややり取りなどコミュニケーション能力がある
- ITに精通していて使いこなすことができる
- 経営コンサルタントや会計コンサルタントとして業務ができる
- 勉強会やコミュニティーに参加し、日頃から努力を惜しまない
つまり経営に詳しくて人間力が高く、相談にも乗れるので顧問料にプラスした収入を得られるのです。
大手税理士事務所は資金調達支援が強みですが、経営支援には弱くなる。
でも中小税理士事務所で経営支援に強ければ稼げる税理士になることは可能なのです。
税務に関連した他の資格を持っているあるいは他の資格を持つ人がいる
大手税理士事務所でなくても、税理士が税理士資格だけでなく税務に関連した他の資格をもっていたり、複数人所属する税理士事務所に以下のような他の資格を持つ人がいたりする場合も稼げる税理士となります。
- 行政書士
- 中小企業診断士
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 社会保険労務士
みそら税理士法人には公認会計士1名、税理士7名、社会保険労務士2名が在籍し、司法書士や行政書士とも提携していますので、複数の専門家によるバランスのよい対応が可能です。
まとめ
税理士は儲からないと言われ始めていますが、あらゆる職業が厳しい状況に置かれていることも確かです。
でも生きて行くうえでも事業展開していく時も、税から逃れることはできません。
中小企業を経営する方の悩みなど、税理士が必要とされる場面は簡単には無くならないでしょう。
クラウド会計ソフトなど便利なツールを賢く利用しながら、経営の未来を一緒に見つめ、前向きに行動できる税理士。
「この人に相談したい!」と思わせる人間力も持ち合わせていなければなりません。
税理士は儲からないのではなく、経営を税務顧問の目でしっかりと見つめることができ、工夫や努力で結果を出せる税理士は儲かるという事が出来るでしょう。
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