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税理士事務所と言っても、税理士が1人の事務所から100人以上スタッフのいる総合事務所まで様々です。税理士事務所は、効率化が進んだと言ってもスタッフ1人あたりが対応できる企業数は、20～30社が限度です。そのため優良な事務所であれば、顧客満足が自然と高まり、顧客数が増え、スタッフ数もそれに応じて増えていきます。スタッフ数は、間接的ではありますが、顧客満足度が高い事務所かどうかの一つの判断材料になります。

税理士事務所によって、顧客の黒字化率はそこまで変わらないとお考えの方も多いと思いますが、実は事務所によって大きく差が出ているのが現実です。全国平均が黒字化率30％程度ですので、黒字化率が50％を超えている事務所は優秀と言えます。事業の黒字化を目指している場合には、契約前に顧問先の黒字化率を確認することをおすすめします。

コンサル型の税理士事務所を選ぶ上で、資金調達に強いかどうかは非常に重要です。事業を拡大する上で運転資金というのは成長スピードに直結するものだからです。資金調達実績がどの程度あるのかや、実際に提携している金融機関があるのかなど事前に必ず確認しましょう。

年間に実施されている税務調査件数は、法人個人合わせて7万件程度です。全国に税理士の数が、8万人程度おりますので、1年間で一度も税務調査に立ち会わない税理士もいることになります。税務調査は経験が非常に重要で、調査官がどのポイントについて指摘しそうかや、税務署側の論理をよく理解しておく必要があります。その点、元国税調査官であれば1年間に30件の調査があり、一般の税理士の30倍以上の調査に立ち会っていますので経験値が違います。税務調査に強いかどうかは、元国税調査官が在籍しているかどうかで見極めることが重要です。

税理士事務所の仕事は、自動化できるようになってきたとはいえ、まだまだ人が判断する事項も多くあります。特に、税金の計算や日々の会計業務ではなく、「事業承継」、「相続対策」、「組織再編」、「企業再生」、「Ｍ＆Ａ」のような複雑な対応になると、一人だけしか担当がつかない場合はミスが発生しやすい傾向にあります。コンサル型の事務所との契約を検討する場合には、担当者が何名つくのかを確認することをおすすめします。

コンサル型の税理士事務所を選ぶ場合、会計税務だけではなく、労務を始めとした人的資源などについても相談が可能かどうかを確認しておく必要があります。事業が成長してくると、人材採用や就業規則の整備、給与制度の見直しといった「人」に関する相談が必ず発生します。そのような場合にも税理士事務所に相談して対応してもらえるように、グループ会社に社会保険労務士事務所があるかや人材採用の支援などもサポートしてもらえるのかを確認しておきましょう。