こんにちは。みそら税理士法人でございます。
雇用主や個人事業主の立場になると、給与についての年末調整が必要になります。
10~11月になると税務署から年末調整に必要な書類が送られてきて、11月~翌年1月にはその手続きを完了させなければなりません。
年末調整には給与計算が絡んでいますが、給与計算で社会保険労務士のお世話になっているという方は多いと思います。
そこで年末調整は社会保険労務士に依頼してよいのか、税理士に依頼すべきなのかという疑問浮かんだ方はこの記事をぜひチェックしてください。
年末調整は税理士だけが代行できる仕事です。
その理由や仕組みを、税理士であるわたしがわかりやすく解説します!
社会保険労務士に依頼するのは税理士法違反!?
年末調整の仕事は社会保険労務士に依頼することはできません。
社会保険労務士が年末調整の仕事を引き受けるのは、税理士法(第2条第1項※1、第52条※2)違反にあたる行為です。
年末調整は年間給与(賞与も含む)の合計額から差し引かれた所得税を細かく計算したり、過不足などを見なおし、計算しなおしたりする「精算」手続きのことです。
つまり、年末調整には所得税という税金が絡んでいます。
税務は税理士の独占業務ですので、雇用主・事業主が年末調整を行えない場合には、税理士に依頼しなければなりません。
※1:税理士の業務内容として年末調整があるという内容が記載されている
※2:社会保険労務士が年末調整の業務を行うことは違反であるという内容が記載されている
社会保険労務士よりも安い給与計算代行業者はどうか
給与計算ソフトを導入して計算をしているけど正確な数字を出せない、経理担当者がおらず忙しくて手が回らない…など、いざ自分だけでやるとなるとなかなかの手間なのが給与計算です。
そこで給与計算代行業者への依頼を考える方も多いでしょう。
給与計算代行業者は社会福祉労務士や税理士に比べると、かなり安価な料金で給与計算などを代行します。
しかし、『社会保険や雇用保険の手続きは社会保険労務士の専門分野』ですの給与計算代行業者には行えません。
つまり、給与計算代行業者は社会福祉労務士の業務部分は行えず、もちろん年末調整も取り扱うことはできません。
年末調整を行わないのは法律違反
年末調整が必要なものだと知っていながら、その手続きを行わないのも法律違反に当たります(所得税法190条)
年末調整に関わる税金である所得税は、その人の所得金額によって税額が決まる仕組みです。
従業員の立場にあると、あらかじめ所得税が引かれた状態の給与が支払われていることになります。
源泉徴収は収入の額に応じて毎月給料から引かれますが、それはあくまでも概算で出された数字。
本来納めるべき所得税の額はきちんと”再計算”されなければなりません。
源泉徴収額と正しく計算された所得税の差額が多ければ返金、不足ならば徴収するのが年末調整のきまりです。
それをわかっていながら行わない、従業員に求められても年末調整に応じない場合で有罪扱いになると、10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金という罰則を課せられます(所得税法194条)
給与計算とセットで考えることの多い年末調整
年末調整は1年間に支払われた給与額が正確でなければ行えないため、給与計算とセットで考えることが多いです。
給与計算には社会保険手続きが欠かせないので、社会保険の専門家である社会保険労務士に依頼すれば正確な給与計算ができますよね。
また、社会保険労務士には社会保険だけでなく、従業員の雇用・退職の雇用保険も任せられます。
雇用主が面倒な書類の回収や作成をしなくて済み、時間の節約にもつながるのです。
でも、年末調整までを見越して考えると、税務の専門家である税理士の独占領域になるというややこしさが出てきます。
逆に税理士が社会保険労務士の業務である提出代行業務を行うのもNGなのです。
年末調整のおよその流れを知ろう
年末調整のやり方を簡単に説明すると以下のようになります。
- 支払った給与がいくらだったのかを計算する
- 配偶者控除・扶養控除・生命保険控除などの所得控除になるものを差し引く(それぞれの書類に従業員に記入してもらい回収する)
- それらの書類が揃ってから所得税の計算をする
- 還付や徴収を行ったのち税務署に法定調書を提出する
不備があった場合には税務署から修正依頼が来て、再提出を求められます。
社労士が在籍する税理士事務所に依頼するのが一番おすすめ
給与計算の社会保険や雇用保険、年末調整の所得税の精算も悩ましい…そんな雇用主・事業主さんに一番おすすめなのは、社会保険労務士が在籍する税理士事務所への依頼です。
そうすれば、以下のように作業が複雑してしまうことを解消できます!
- 給与計算は計算代行業者
- 社会保険・雇用保険は社会保険労務士
- 税金がからむ年末調整は税理士
パーツパーツで担当する専門家を分散してしまうのは連携がうまく行かないことも多く、かえって手間がかかります。
もちろんコストも高くなってしまいますよね。
みそら税理士事務所には税務の専門家である税理士はもちろんのこと、社会保険や給与計算の専門家である社会保険労務士が在籍しています。
つまり、給与計算から年末調整までオールインワンの対応が可能です。
まとめ
雇用主や個人事業主にとって、忘れてはならない年末調整。
忙しい業務のなかで正確な給与計算を元に行わなければならない年末調整は、思う以上に手間がかかる場合があります。
従業員が多かったり個人事業主だったりでなくても、年末調整の計算に不慣れな人だとすべてを自分一人でこなすのは大変ですよね。
社会保険の専門家と税務の専門家の力を借りてスムーズな申告をしませんか。
仕事に専念できて生産性もアップします。
年末調整に頭を悩ませている方、まずは一度相談してみてはいかがでしょうか。
ディスクリプション:年末調整には給与計算が絡んでいるから、社会保険労務士に代行依頼してよいのかとお悩みではないですか?年末調整の代行ができるのは税理士だけであり、社労士が年末調整を行うのは法律違反です。
だけど、社労士に給与計算や社会保険・雇用保険の相談もしたい。
ならば両方のニーズに対応できる『社労士が在籍する税理士事務所』を選択すればすべて解決できます!
「お客さまの会計・税務・労務のお悩みごとをワンストップで解決したい」という思いから、みそら税理士法人ではグループ内に社会保険労務士法人も併設しているため、労務のご相談であってもお気軽に。
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