こんにちは。はるか労務管理事務所 白濱です。
桜のたよりがちらほら聞こえてくる時期となりました。
例年、雇用関係助成金の多くは、新年度にその内容が一新されますが、先日発表された最新助成金に関するパブリックコメントでも、新しい助成金や現助成金の統廃合などの動きがみられます。
厚生労働省が管轄する雇用関係助成金は、原則、労働基準法等で定められている労務関係の帳簿の整備・確認や提出が求められます。
労務の「法定三帳簿」とは?
労働基準法に定めのある「法定三帳簿」の他、労務に必須の書類は整えていますか。会社に備えておかなければならない主な労務関係書類を、以下の表にまとめました。
<おもな労務関係書類> (★は法定三帳簿)
・労働者名簿、賃金台帳のひな型は以下ホームページでダウンロードできます。
厚生労働省(主要様式ダウンロードコーナー)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/index.html
隠れ「未払い残業」はありませんか?―助成金申請時のチェックポイント
雇用関係助成金では、それぞれに細かな要件が設定されていますが、申請時に気をつけたいポイントを2つ挙げてみました。
1.申請書類は、それぞれ整合性が取れているか
・雇用契約書は、労働基準法等の法令や就業規則の規定以上の内容になっているか
・雇用契約書上の所定勤務時間と、実際の出退勤時刻(=タイムカード等)が大きく異なっており、常態化していないか
・タイムカード等で確認された勤務時間と、実際支払われている賃金(=賃金台帳上の賃金)は異なっていないか 等
当然のことですが、雇用契約書、賃金台帳、タイムカードの記載内容は、実態と合っていなければなりません。
タイムカード等の記載もれや未確認の残業がないか、休憩時間はきちんと取れているか等、管理責任者が従業員の勤務実態を毎日チェックすることが重要となります。会社と従業員との間の認識の違いに早めに気づき、修正しておくことで、隠れた労務リスクを減らすことにもつながります。
2.「未払い残業」はないか―週40時間超の割増は見落としがち
会社は、労働者を原則1日8時間、週40時間(以下法定労働時間といいます)を超えて働かせてはならないこととなっています。時間外・休日労働に関する協定を労働基準監督署に届け出、就業規則等に残業の指示に従う旨の規定がある場合は残業が可能ですが、法定労働時間を超えた勤務時間については、1時間あたりの賃金に一定の割増を付けて支払わなければなりません。
週8時間を超えた勤務時間については規定どおり支払われていても、週40時間超えの時間については、意外と見落としがちです。特に、所定勤務が週6日ある会社は、未払い残業がないか要注意です。未払い残業があれば、早めに清算しておきましょう。
労務管理チェックをしましょう
労務関係助成金は、厚生労働省管轄のため、労働基準法等の労働諸法令を遵守できているかどうかが、助成金申請の大前提となります。助成金申請に関わらず、普段から労務管理体制を整えておくことは、会社運営の健全化、人材の定着にもつながります。この春からも、新しい助成金が登場する予定です。この機会にぜひ一度、労務管理のチェック、見直しをされてはいかがでしょうか。
はるか労務管理事務所では、労務帳票の整備・作成、労務管理のチェック等の相談を承っております。
会社の状況やご要望に合わせ、変形労働時間制等のご提案もさせて頂きます。雇用関係助成金の新情報も随時お知らせしておりますので、ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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