事業承継の本質と必要性、タイミングを解説|【神戸で愛されて30年】神戸の税理士 みそら税理士法人

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神戸
2015年8月11日

事業承継の本質と必要性、タイミングを解説


 

こんにちは。廣岡会計事務所 廣岡でございます。

廣岡

 

同世代の経営者の方々から、様々な悩みを伺う度に「二代目・三代目経営」の成功の秘訣を把握・理解することは本当に難しいと思っております。

二代目・三代目経営者の役目はいかに大変か。

事業を承継し、それを更に発展していく。創業者が立派な業績を残されていればいるほど、二代目・三代目経営者の精神的なプレッシャーは大きくなると思います。

創業者の時代は経済が右肩あがりであり、頑張った分だけ報われた時代だったかも知れません。

しかし、残念ながら、今後は日本の人口が減少し、国内市場が縮小するだけでなく、グローバル化(海外展開、外国企業との競争)や事業スピードが格段に早くなり、今の事業が今後10年・20年と続いていくことが保障される事業環境ではありません。

 

① 経営者に最低限必要なもの・・・覚悟・情熱

私は「経営者」という仕事が、その人の「生き方」そのものであると思っています。

「経営者」の仕事はそもそもハングリーであり、飢えや貧しさ、夢や使命感、これらを全うしようとすれば、おそらくは年中無休・24時間営業に近いコミットメントが要求されると考えます。

それは二代目だろうと三代目だろうと、その会社を発展させよう、より良いものにしていこうとする限り変わりはありません。

 

それでは「経営者たる生き方」というものは“ 後継者に教えれる ”ものなのでしょうか?

どのような学校に通っても「経営者たる生き方」についてシステマティックに教える機能は持っていないと思います。

やはりそれは『 創業者の苦労を傍でどれだけ多く見てきたか 』に尽きると思います。

なので、二代目・三代目経営者は自分自身が本当に創業者と同じような「経営者」という生き方を選択する覚悟・情熱があるか否かを、自問自答することだと思います。

 

② 継承の暗黙知

創業者から後継者への『伝達』について、何が重要かについて考えてみたいと思います。

創業者から後継者に「何を」「どのように」伝えていくかについては、同族企業だけでなく、大企業においてすら、それほど明確になっているとは思えません。

まして同族企業では、「子は親の背中を見て育つ」という教育観があり、先代から二代目への明確な「経営ノウハウ等の伝達」は、親子であるがゆえにより暗黙的なものになりがちです。

 

③ 企業の強みを承継すべき

「継がれる側」は何を伝えるべきか、また、「継ぐ側」は何を受け継ぐべきか。

 

ハート(経営理念)、ヒト(人脈)、モノ・カネ(財産)それぞれが大切な伝えるべき要素であるわけですが、とりわけ明確に伝達することが必要だと感じるのは、『企業を成り立たせている強みは一体何か』ということだと思います。

 

その企業を成り立たせている『独特の強み』(独特の販売ノウハウや技術力といった競争優位性)は、創業者自身は直感的に体得していることが常であるため、それを客観的かつ正確に伝えることは大変難しいものです。

 

また、往々にして、創業者は後継者に自分の強い部分より、弱い部分を補完してくれることを望みがちです。

例えば、自分が財務が不得意なために後継者を取引銀行に預けたり、管理面が弱ければ会計事務所やコンサルティング会社に入れて経験を積ませたりといったことをよく見かけます。また、自分がやろうとしてできなかった海外進出を知らず知らずのうちに後継者に期待しがちです。

 

しかし、後継者にまず伝えるべきは、その企業を成り立たせている『強み』がどこにあるかということだと思います。

言い換えれば、後継者に向かって、会社が世の中から見て存在価値があり「継承に値する企業」であることを示し伝えることです。

 

そのための具体的な方法として、会社が将来どのような姿になるのか(「ビジョン」)、会社の「強み」をどのような方法で更に強化していくのか(「事業戦略」)について、創業者と後継者とが十分な時間をかけて共有化することが必要です。

 

④ 承継のタイミング

次に大切なことは、「継承のタイミング」を明確に示すことだと思います。

 

後継者にいつ経営をバトンタッチするのか、そのタイミングが次世代経営の成否を決める重要な要因になるからです。

「自分が60歳になったら」とか、「二代目が40歳になったら」といった年齢的なタイミングではなく、後継者の成長具合で承継のタイミングを決めるべきだと考えます。

なので、後継者がどんな役割を担う必要があるかをできるだけ具体的に示すとともに、会社の事業規模、事業内容や組織体制がどのような姿になっているかについて「将来ビジョン」をつくっておくことが大切だと思います。

 

継承のプログラムがないままに、経営の行き詰まりを理由に先代から急に社長業を託された二代目経営者や、創業者の急逝によって社長就任を余儀なくされた後継社長の方々のご苦労を目にするたびに、創業者と後継者が、将来ビジョンと継承のタイミングの二つを共有しておくことの重要性を痛感します。

 

⑤ 最後に

事業承継といえば、自社株評価・対策等の税務上なテクニカルな部分のみを示しているケースも多いですが、実は後継者に創業者・先代と同じ『熱い思い』、会社が成り立っている『強み』を伝えるとともに、将来の『青写真』を創業者・先代と後継者とが共同して創り上げていくことが円滑に次世代に経営をバトンタッチしていく上で重要だと考えます。

 

 

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