税理士と公認会計士の違いとやりがいを現役会計士が解説|神戸の税理士【みそら税理士法人】

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神戸
2019年6月11日

税理士と公認会計士の違いとやりがいを現役会計士が解説


こんにちは。みそら税理士法人 廣岡でございます。

廣岡

税理士と公認会計士の違いをご存じですか?

自分で言うのもなんですが、どちらも税や会計のプロフェッショナルであることや、国家試験を突破した『士業(※)』であることはよく知られています。でも、その違いについてしっかりと理解している人は少ないように感じます。

 

実際、私も何度も「どう違うの?」と質問されます。

税理士や公認会計士と特にかかわったことのない人にとっては、どちらも似たような仕事をしているのではないかと混同してしまう人もいるかもしれません。

この記事では、税理士と公認会計士の違いを、法律で定められている社会的な使命とクライアントの違い、実感できるやりがいの違いについてをわかりやすく解説します。

(※):日本における『●●士』と呼ばれる専門資格職業の俗称。『さむらいぎょう』とも呼ばれています。

 

税理士と公認会計士の社会的な使命の違い

税理士と公認会計士には仕事内容に違いがあるだけでなく、それぞれの法律で定められた『使命』があります。

『使命』という重みのある言葉からもわかるように、それだけ専門性が高く責任が重い仕事だということがよくわかります。

 

税理士の社会的な使命は税理士法の第一条、公認会計士の社会的な使命は公認会計士法の第一条に書かれており、その内容は以下のとおりです。

 

税理士

税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

 

公認会計士

監査および会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者および債権者の保護などを図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。

 

このように、それぞれの使命には仕事の内容が書かれています。つまり、税理士は税金に関する全般の業務を執り行う『税の専門家』

納税者が税金を払いすぎずに、決まった額の税金をきちんと納められるように公正な立場に立ってサポートし、納税をさせるのが使命です。

公認会計士は『監査と会計の専門家』として公正な立場に立って仕事をします。

企業の会計が法律や基準などからずれてしまっていたり、問題が起こったりしていないかを数字から確認して、より日本の経済を発展させるために寄与するのが使命です。

 

税理士と公認会計士のクライアントの違い

税理士と公認会計士の違いは、それぞれがかかわっているクライアントからもわかります。

 

税理士のクライアント

納税の義務のある国民すべてが、税理士にとってのクライアントである言っても過言ではありません。

企業ならば『中小企業やベンチャー企業』がクライアントになることが多くなります。

でも、納税の義務はすべての国民にあるため、法人・個人のすべてが税理士のクライアントに該当します。

当法人のように、個人の相続税申告を得意としている税理士事務所もあります。

もちろん中には、大企業をクライアントに持つ事務所もあるので、税理士によってそれぞれ営業形態や業務形態にも違いがあります。

 

公認会計士のクライアント

公認会計士のクライアントは、メインの仕事である『”監査”を必要としている企業』です。

監査を受けるのは、資本金5億以上もしくは負債合計が200億円以上の大会社・委員会設置会社・会計監査人の任意設置を行った会社など、『会社法』という法律に基づいた監査を受ける義務がある企業と学校や公共団体なども含まれます。

この会社の多くが株式市場に上場していますから『上場企業』が主なクライアントと言えます。

 

税理士と公認会計士の違いを分かりにくくしてしまっている制度

一般の方がこの2つの資格の違いについて、分かりにくくなってしまっている原因の一つが「公認会計士になれば、登録をすれば税理士にもなれる」ということがあります。

日税連のHPにはこのように書かれています。

 

次のいずれか一つに該当する者が、税理士となる資格があります。

1.税理士試験に合格した者であること
2.税理士試験を免除された者であること
3.弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
4.公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)

 

このように、公認会計士は税理士になる資格があるということなのです。

そして、税理士資格を持っている人(7万5000人)のなかで約1万人が公認会計士の資格も持っています。

私もそのうちの一人です。

また、この問題をややこしくしているのが、監査法人に勤務していない公認会計士は、ほとんど監査をしないということも挙げられます。

監査法人を辞め、独立して自分の○○公認会計士事務所を開業する人のほとんどは、税理士登録をして税理士業務をメインに仕事をします。

そのため、一般の方が仕事で関わる「公認会計士」は「税理士」と違いがほぼ分からないということになってしまっているのです。

 

税理士と公認会計士のやりがいの違い

税理士と公認会計士の仕事内容やクライアントに違いがあるように、それぞれが持つ『やりがい』も違います。

 

税理士のやりがい

国民の納税をサポートする税理士の仕事は、国民の納税をサポートすることですが、そんな税金によって建設や医療費の補助、警察や消防などの保安活動や救助活動などが行われています。

税理士の仕事が国民の生活を守り、国を守って発展させることにもつながるのは大きなやりがいでしょう。

つまり、それくらい税金は国の大切な財源であり、税理士の知識によってこれらを守ることができるのです。

もっと身近なところでは高齢者の相続の相談、多忙な事業主の経済活動を支えるサポーターになることや確定申告の相談なども税理士の仕事です。

ダイレクトに「ありがとう」と感謝してもらいやすいので、難しい分野である反面とてもやりがいが感じられる仕事です。

 

公認会計士のやりがい

『監査』は公認会計士だけに認められた業務であり、会計財務を熟知しているのが公認会計士ですから、会社や企業の成果を数字にした会計(決算書)に目を通して、その信頼性を監査することができます。

企業の舞台裏に回り、経営にも直接アドバイスすることができるのでとてもやりがいがある仕事です。

また、アドバイザリー業務と呼ばれる経営コンサルタントとしての役割も担い、合併や買収(M&A)にもかかわっていくなど『日本の経済社会を支えている』ことを実感できます。

 

税理士と公認会計士の違いとやりがいまとめ

税理士も公認会計士も、お金や経済のエキスパートであることには違いありません。

でも、それぞれが与えられた使命やかかわるクライアント、やりがいのポイントには違いがあるのです。

税務のことでわからないことが発生したり、事業を起こしたりしたときには、税理士のお世話になることがあるかもしれません。

逆に自分が税理士や公認会計士を目指したいと考えるようになる人もいるでしょう。その際にはそれぞれの仕事の違いを覚えておくととても便利です。

 

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