みそら税理士法人田内(たのうち)です。
前回に引き続き、クリニックの診察予約システムについて記載したいと思います。
予約システムの選択にあたって一番大事なことは、『院長先生の診療スタイルと患者様の属性・ニーズとのマッチング』にあると感じています。
予約システムの導入事例
Aクリニックは、郊外に開業された耳鼻咽喉科クリニックです。
開業当初は、患者様にいつでも来院いただけるよう、あえて予約制を導入せずに数年間運用してきました。
しかし、1日の来院患者が50人を超えた頃から待ち時間のクレームが多くなり、冬場のピークに80人を超えたときには、現場スタッフから「対策を講じてほしい」という声があがりました。
いくつかの予約システムを検討しましたが、院長先生が選んだのは『単純な当日順番待ちのシステム』でした。
ただし、オンラインで「現在の待ち状況と診察番号」が見られるようにしました。
Aクリニックの場合、開業した場所の近くには保育園、幼稚園、小学校があることから、来院患者の約半分が小児と付き添いのお母さんでした。
お母さんたちはスマホや携帯を所有しており、待ち時間の状況と現在の診察番号がわかることで
①小さなお子さんを連れて待合室での長い待ち時間を回避することができ、
②待合室で別の病気に感染するのではという不安が少なくなる、
というメリットが生まれました。
また、院長先生の診察効率が高く、早いときは5分とかからず患者さんは満足して診察を終えられることからあえて予約枠を設定しませんでした。
それでも待ち状況を開示したことは好評で、上記のお母さんや、忙しい合間にさっと受診したい会社員からは高い評価を得ることができました。
次回は、今回の事例を踏まえて『診療スタイルと予約システムの相性』を仕組み別に検討したいと思います。
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