こんにちは。廣岡会計 高橋です。
今回は、『値引戦略』について記載します。
何個売れば良い?
会計のセミナーや勉強会で、「利益率」のお話をさせて頂くときに、次のような質問をすることがあります。
【前提】
・70円で仕入れたものを100円で売っている
・一日の売上は100円×50個=5,000円である。(粗利益は1,500円)
【質問】
10%値引きをして(一個90円で)販売したとすると、今までの粗利益(1,500円)を確保したいなら、
販売個数を50個から何個に増やさないといけないでしょうか?
正解は…
意外と多い答えが、「10%値引きしているんだから個数は1.1倍、つまり55個でいいんじゃない?」
というものです。
正解は・・・
75個(1.5倍)です。
<計算式>
(売価90円/@仕入値70円/@)=利益20円/@
1,500円÷20円/@=75個
なんと、たった10%の値引きで、今までの1.5倍の個数を売らないといけないのです。
改めて電卓を叩いてみると納得できますね。
値引きすべきかどうか
このことからも「値引戦略」は慎重に行わなければならない、ということがわかります。
在庫処分等の場合は別ですが…
(このブログを読んで頂いている販売業の経営者の方からは「そんなん当たり前やん!」と怒られるかも知れませんが…)
ここで改めて値引戦略の際のチェックポイントを挙げておきます。
? その値引を行わないと本当にそのお客様は買ってくれないのか
? 品質・アフターサービス等、値引以外でお客様に満足を与えられないか
? 誰が、いくらまで値引をすることができるのか等、ルールが決められているか
? 割引券やポイントの発行が売上増加・リピート率の改善につながっているか
弊所では、経営者様と経営計画を策定する際に、この点についてたっぷりと時間をかけて検討をして頂いております。
稲盛さんもおっしゃっているように、まさに「値決めは経営」ですね。
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