『スイッチOTC医療費控除の特例』が始まります|神戸の税理士【みそら税理士法人】

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神戸
2017年1月25日

『スイッチOTC医療費控除の特例』が始まります


こんにちは。廣岡会計事務所の矢野です。

今年の冬は、平地でも雪が積もったりとかなり寒い日々が続きますが、体調管理はいかがでしょうか?

体調を崩しやすい時期ですので、風邪薬などのお世話になる方も多いと思いますが、平成29年1月より医療費控除の新しい制度が創設されました。

 

今回は、「スイッチOTC医療費控除の特例」(『セルフメディケーション税制』)について説明したいと思います。

 

※OTCとは

「Over The Counter」の略です。「OTC医薬品」とは、カウンター越しにアドバイスを受けた上で購入できる薬、つまり「一般用医薬品」のことです。

 

制度の概要

健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っている納税者が、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費を支払った場合には、一定の金額の所得控除(医療費控除)を受けることができます。これを『セルフメディケーション税制』といいます。

(注)?『セルフメディケーション税制』は医療費控除の特例であり、従来の医療費控除との選択適用となります。

したがって、この特例の適用を受ける場合は、従来の医療費控除を併せて受けることはできません

 

控除を受けるための要件

(1) 健康の保持増進及び疾病の予防への取組を行っていること

『セルフメディケーション税制』の適用を受けようとする年に、以下の「一定の取組」を行っている居住者が対象になります。

「一定の取組」とは

?保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査【人間ドッグ、各種健(検)診等】

?市町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】

?予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】

?勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】

?特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

?市町村が健康増進事業として実施するがん検診

(出所:国税庁HPより)

 

(2)対象となる医薬品の購入費を支払っていること。

ドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入費を支払っていること。

一部の対象医薬品については、このような識別マークが箱などに掲載されています。

控除額は?

『セルフメディケーション税制』による医療費控除の金額は、実際に支払ったスイッチOTC医薬品の金額から保険金などの補填された金額を除いた合計額から、12,000円を差し引いた金額(上限8万8千円)になります。

目安は、月千円以上の対象医薬品の購入で、年間10万円までの購入費が対象となります。

 

控除を受けるための手続き

『セルフメディケーション税制』の適用に関する事項を記載した確定申告書を提出しないといけません。

また、次の書類を確定申告書に添付する必要があります。

 

添付資料

?スイッチOTC医薬品の領収を証する書類

(その領収をした金額のうち、スイッチOTC医薬品に該当するものの金額が明らかにされているものに限ります。)

*平成29年度税制改正大綱で、医療費の明細書の添付に改正予定。

 

?セルフメディケーション税制の適用を受ける納税者がその適用を受けようとする年分に一定の取組を行ったことを明らかにする書類

(氏名、取組を行った年及び取組に係る事業を行った保険者、事業者若しくは市区町村の名称又は取組に係る診察を行った医療機関の名称若しくは医師の氏名の記載があるものに限ります。)

 

インフルエンザの防接種を受けることで取組みの要件を満たしますので、手軽に受けれる控除になりそうです。

この機会に健康診断や予防接種など、ご自身の健康についていろいろ検討してみはいかがでしょうか。

 

 

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