皆さま、日増しに暖かさが感じられ、新年度の慌ただしさも落ち着いてきた頃かと存じますが、いかがお過ごしでしょうか。
みそら税理士法人の天野でございます。

4月は新たな一歩を踏み出す人も多い季節、個人事業主として事業を始める方もいるのではないでしょうか。
期待に胸を膨らませる一方で、いざ開業手続きを進めようとすると「どんな書類を」「いつまでに」準備すればよいのか戸惑うことも多いものです。
本記事では、個人事業主スタート時に押さえておきたい手続きの流れとポイントを解説します。
(本記事の内容は、2026年4月現在の税制に基づいています。実際の届出の際には必ず最新の情報をご確認ください。)
【税務署への届出:2026年制度変更の留意点】
「個人事業の開廃業等届出書(以下、開業届)」の提出期限は、
税制の改正により2026年1月から「事業開始等の日の属する年分の確定申告期限まで」へと緩和されました。
したがって、2026年中に開業した場合の法定期限は、原則として2027年3月15日までとなります。
一方で、所得税の「青色申告承認申請書」の提出期限は従来通りに運用されています。
1月16日以後に新規開業した場合は「開業日から2か月以内」に提出しなければなりません。
(1月1日から1月15日までに開業した場合は、その年から青色申告の適用を受けるための提出期限は、その年の3月15日までとなります。)
開業届の期限緩和に合わせて「開業日から2か月以内」の「青色申告承認申請書」の申請を失念すると、
最大65万円の青色申告特別控除を初年度から受ける権利を喪失するため、開業届と青色申告承認申請書はセットで速やかに提出することを推奨します。
【インボイス制度と消費税の対応】
新規開業者はインボイス登録をしない限り消費税が免除されます。
ただし、インボイス登録を行うと売上規模にかかわらず納税義務が生じ、本来免除されるはずだった税負担を新たに負うことになります。
取引先からインボイスの取得要請があるか等の状況を十分に確認した上で、登録の必要性を慎重に検討されることを推奨します。
なお、新たに事業を開始した方は、申請によって開業した年(課税期間)の初日に遡って登録を受けることが可能です。
登録後は、所得税と消費税で、確定申告の期限だけでなく、所得税(翌年3月15日)と消費税(翌年3月31日)では税金の納付期限も異なる点に注意してください。
【社会保険・労働保険の期限管理】
会社員から独立した場合は、公的保険の切り替えを進める必要があります。
国民年金および国民健康保険の加入手続きは、退職日の翌日から14日以内を目安に、お住まいの市区町村役所で行います。
健康保険の任意継続を選択する場合は、退職日の翌日から20日以内に、退職前に加入していた健康保険組合または協会けんぽへ申出を行う必要があります。
期限に余裕がない点に留意してください。
また、従業員を雇用する場合は労働保険の手続きが義務付けられます。
「労働保険関係成立届」は事業所所在地を管轄する労働基準監督署に、「雇用保険適用事業所設置届」は事業所所在地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に、
いずれも事実発生から10日以内に提出が必要です。
【開業後の事務負担を軽減に向けて】
開業後の事務管理を効率化するために、「納期の特例」や「振替納税」の申し込みが有効です。
・源泉所得税の納期の特例:給与の支払人員が常時10人未満である場合に申請でき、原則毎月行う源泉所得税の納付を年2回に変更可能です。
・振替納税:所得税や消費税を預貯金口座から自動で引き落とす制度です。納付忘れを防止できるため、初回申告前までの手続きを推奨します。
また、2025年1月より税務署窓口での収受日付印の押印が廃止されました。
そのため、e-Taxの受信通知や送付記録を適切に保存し、提出の事実を客観的に証明できるよう、自ら記録を管理しておくことが不可欠です。
【地方税および許認可の確認】
地方税の手続きや特定の業種に必要な許認可は、円滑な事業開始のための適切な準備として欠かせません。
個人事業税の開始届などは自治体ごとに規則が異なるため、所轄の都道府県税事務所等のホームページをご確認ください。
また、飲食業や古物商など所管行政庁等の許認可が必要な業種は、営業開始前に許可を得ることが前提となるため、
物件契約や設備工事の段階から並行して着手してください。
【順序立てた手続きの遂行に向けて】
2026年における個人事業の開始手続きは、期限が緩和された開業届と、従来通りの期限が維持されている青色申告や各保険の手続きが混在しています。
混乱を避けるため、まずは開業日を確定させ、そこから逆算して各手続きを一つずつ順序立てて完了させていきましょう。
税務署への届出が必要な各種手続きについては、以下の国税庁のページにまとまっていますので、合わせてご確認ください。
No.2090 新たに事業を始めたときの届出など
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm
なお、令和8年度(2026年度)税制改正の大綱においても、将来的な青色申告特別控除額の75万円への引き上げ(令和9年分以後)など、重要な変更点が示されています。
今後も制度が変更される可能性があるため、常にその時点での最新の情報に基づいて進めるよう留意してください。
不明な点がある場合は、速やかに税務署や各行政機関、または弊社などの専門家へご相談ください。
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