ダイレクト納付と電子納税の違い

いつもお世話になっております。

みそら税理士法人の谷本でございます。

 

最近私の担当顧問先様より、税務署の担当者(時には副署長)が「ダイレクト納付をしてください」と顧問先様に訪問されてきたり、

税務署からDMによる案内があるというお話をよく聞きます。

実際銀行の窓口で納税する場合も手数料がかかるケースが増えてきており、手数料のかからないダイレクト納付に切り替えたいというお話もありました。

そこで、今回は今後さらに利用の増加が見込まれる「ダイレクト納付」と「電子納税」の違いについて解説していきます。

 

 【ダイレクト納付と電子納税の違い】

ダイレクト納付とは

ダイレクト納付とは、e-Tax(国税電子申告・納税システム)により申告書等を提出した後、納税者ご自身名義の預貯金口座から、即時又は指定した期日に、口座引落しにより国税を電子納付する手続です。

ご利用に当たっては、事前に税務署へe-Taxの利用開始手続を行った上で、専用の届出書を提出していただく必要があります。

 

事前に一度『ダイレクト納付しますので、口座はこれです!』と税務署へ届け出をしておくことで、電子申告をした際にあわせて納税も済ませておくことができるようになる、といったものです。

対象税目は、法人税、地方法人税、消費税及び地方消費税、申告所得税、相続税、贈与税、酒税、印紙税

源泉所得税及び復興特別所得税など国税全般(ただし地方税は対象外です)

最初だけお手続きのひと手間かかりますが、それ以外に特にデメリットはありませんが、口座の残高には注意が必要です。

『残高が足りないので引き落としできませんでした』はけっこうよくあるお話で、当然この場合でも延滞金の対象になってきます。

 

(国税庁HPより)

 

 

【電子納税とは】

こちらはインターネットバンキングを使用し、手動で納付手続きを行うものです。

手順としましては、

① e-Taxで申告を行い、納付区分番号を取得

② ご利用されている金融機関のインターネットバンキングへログインし、上記の納付区分番号をもとにご自分で納付手続きを行う

 

となっています。

つまり電子申告終了後に納付金額を自分で入力して登録をするという手間がかかります。

一方でダイレクト納付は最初だけ手間がかかるだけなので、自動で振替をしてくれる「ダイレクト納付」がおすすめです。

ただし、ダイレクト納付を利用できない金融機関もありますので、詳細は国税庁のホームページの「ダイレクト納付 利用可能金融機関一覧」でご確認ください。

ちなみに今のところ、ネット専業銀行やJA(協)の口座は利用できませんのでご注意ください(※令和5年1月時点)。

 

 

【ダイレクト納付の手続き方法】

『ダイレクト納付利用届出書』を税務署へ提出します。(届出書は国税庁ホームページよりダウンロードできます)

 

注意点としましては、提出から利用許可がおりるまでおおよそひと月ほどかかりますので、余裕をもってお手続きしておく必要があります。

ちなみにこちらはインターネットバンキングの契約は不要となっています。

 

ご利用に当たっての注意事項等】

・手数料 :不要です。

・領収証書:発行されません。

領収証書が必要な方は、最寄りの金融機関又は所轄の税務署の窓口で現金で納付してください。

・納付書 :ダイレクト納付をご利用される場合、確定申告用の納付書は送付されません。

 

【地方税版ダイレクト納付の共通納税】

全ての都道府県、区市町村を対象として、複数の地方公共団体へ一括して電子的に納税することができます。

事前に登録した金融機関口座を指定して、地方税を直接納税する地方税版のダイレクト納付です。

なお、共通納税することによる手数料は無料です。

 

【電子申告データ・特徴税額通知と連動し納付する方法】

電子申告した申告データをもとに、納税手続きを行う方法です。提出済みの申告データを選択することで、その申告内容に応じた税金を納税することができます。

また、必要に応じて延滞金、加算金などを納付することもできます。

電子申告データと連動し納税する税目(延滞金など含む。)は、次のとおりです。

  • 法人都道府県民税
  • 法人事業税
  • 特別法人事業税(地方法人特別税)
  • 法人市町村民税
  • 事業所税
  • 個人住民税
    (退職所得に係る納入申告・給与特徴で税額通知が電子的に送付されている場合)
  • 都道府県民税(利子割・配当割・株式等譲渡所得割)

 

【地方税版ダイレクト納付の登録方法】

◆地方税ポータルシステム(PC desk)をダウンロードし、ポータルセンタにログインします。

(利用者IDを利用する、を選択すれば、マイナンバーカードや、カードリーダーが無くても利用できます。)

◆利用者情報に関する手続きから、提出・納付する、各市区町村・税目などを登録します。

◆納税に関する手続きから、納税の引落を行う銀行口座を登録し、金融機関へ、

地方税ダイレクト納付口座振替依頼書を提出します。
(口座情報を入力し、印刷すると、送付必要書類が出てきます。宛名ラベルも印刷されるので、白紙の封筒を用意し、

ラベルを貼って銀行へ依頼書と共に郵送します。)

・金融機関の登録が完了したら、メールで通知が届くので、確認ができたら、利用開始できます。

・電子申告した法人地方税などの納付や、住民税の特別徴収の納付などの税目の納付ができます。

 

【最後に】

インターネットが普及している現在において、確定申告の電子申告をはじめ、

納税方法についてもインターネットを通じた電子納税や今回ご紹介したダイレクト納付を利用した納税を

税務署や銀行も推奨しています。

納税者側としては、銀行に手数料を払うコスト削減や銀行に出向くなど時間短縮にもつながりますので、

一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

 

ご不明な点がございましたら弊法人までお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

 

 

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