防衛力強化に向けて… 令和7年度税制改正大綱に適用時期が明記される

こんにちは。

みそら税理士法人の上山ございます。

今回は防衛力強化に向けてお話させていただきます。

 

あらまし

日本の防衛力強化の背景には、急速に変化する国際的な安全保障環境、特に中国や北朝鮮、ロシアなどの軍事的脅威への対応が重要な要因として挙げられます。

加えて、日米同盟の強化、国内外の防衛意識の高まり、そして国際的な責任を果たすために、抜本的な防衛力強化が必要とされています。

特にロシアによるウクライナ侵略は、戦闘機・艦艇・戦車などの従来型の兵器のみならず、大規模なミサイル攻撃、無人機等による非対称的な攻撃、情報戦などを組み合わせたものになっており、このような新しい戦い方に対応していく必要があります。

ミサイル防衛システムや次世代戦闘機、ドローン技術など、最新の防衛装備を導入するためには、予算の増額が必要であり、そのための税制改正となります。

 

税金はどこへ?

最優先課題として、

①現有装備品を最大限有効に活用するため、可動率向上や弾薬・燃料の確保、主要な防衛施設の強靱化への投資の加速

②スタンド・オフ防衛能力、無人アセット防衛能力等の将来の中核となる能力の強化

が掲げられ、以下が必要な経費となっており、税金が投下されることになっています。

 

・スタンド・オフ防衛能力

・総合ミサイル防空能力

・無人アセット防衛能力

・領域横断作戦能力

・指揮統制・情報関連機能

・機動展開能力・国民保護

・持続性・強靱性

 

具体的な改正

(防衛特別法人税の創設)

・計算式:(基準法人税額-基礎控除額500万円)×4%-税額控除

中小法人に配慮する観点から、基礎控除額500万円が設けられた。

 

では、所得金額が何円から防衛特別法人税が課されるか?

5,000,000円=(8,000,000円×15%)+{(X-8,000,000円)×23.2%}

0.232X=5,656,000円

X=24,379,310円

⇒ 約2,440万円となります。

・令和8年4月1日以後開始事業年度から適用

1年決算法人の場合、令和9年3月期の決算からとなります。

 

(たばこ税の見直し)

加熱式たばこの見直し

加熱式たばこの税率を紙巻きたばことの税率を揃える。

・紙等で巻いた加熱式たばこ:0.35g=紙たばこ1本

・上記以外:0.2g=紙たばこ1本

・品目ごと1個当たりの重量4g未満:品目1個=紙たばこ20本

 

現行の換算方法 改正後の換算方法
現行 現行の換算本数×1.0
第一段階 令和8年4月1日~ 現行の換算本数×0.5 新換算方法×0.5
第二段階 令和8年10月1日~ 新変換方式×1.0

 

たばこ税引き上げ

たばこ税率を3段階でそれぞれ0.5円/1本ずつ引き上げ

 

有効 6,802円/千本
第一段階 令和  9年4月1日~ 7,302円/千本
第二段階 令和10年4月1日~ 7,802円/千本
令和3号 2011年4月1日~ 8,302円/千本

 

最終的には1本当たり3円相当の引き上げとなります。

 

所得税については、

東日本大震災の復旧・復興に要する財源である復興特別所得税の2.1%の税率を1.1%とし、

残りの1%を防衛費の財源にするための改正が検討されていましたが、今回は見送りとなりました。

 

 

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