こんにちは、みそら税理士法人の廣岡です。姫路・播磨エリアの相続のお悩みを、大阪・名古屋・神戸・明石・姫路の5拠点でサポートしています。
相続放棄の期限は、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内です(民法915条1項)。亡くなった日からではありません。そして、姫路市にお住まいだった方の相続放棄の申述先は、神戸家庭裁判所姫路支部(姫路市北条1-250)です。
期限より先に、ひとつだけ注意をお伝えします。故人宛ての督促状が届いても、慌てて故人の預貯金などの相続財産から支払わないでください。相続財産で借金を返すと「単純承認」とみなされ、相続放棄そのものができなくなるおそれがあります。
3ヶ月というタイムリミットの中で、何から手を付け、何をしてはいけないのか。手続きの流れ・必要書類・費用に加えて、税理士法人だからこそお伝えしたい「放棄しても相続税に影響が残る注意点」まで、期限から逆算して整理しました。
相続放棄手続きの全体像と3つの必須条件
相続放棄は、家庭裁判所に申述して受理されることで初めて成立します。相続人同士の話し合いで「自分は財産をもらわない」と決めただけでは、法律上の相続放棄にはならず、借金の返済義務も消えません。
相続放棄の3つの必須条件
相続放棄が認められるには、次の3つがそろっている必要があります。
- 家庭裁判所に申述すること:遺産分割協議で「放棄した」ことにしても、債権者には対抗できません。管轄の家庭裁判所への申述が唯一の方法です(民法938条)
- 知った時から3ヶ月以内であること:起算点は死亡日ではありません(詳細は次の項目で解説します)
- 単純承認に当たる行為をしていないこと:相続財産の処分・消費などをすると、相続を承認したものとみなされます(民法921条。NG行為の具体例は後述)
受理されると、その人は「初めから相続人とならなかったもの」として扱われ、借金もプラスの財産も一切引き継ぎません(民法939条)。
期限の起算点と「期間伸長」という選択肢
3ヶ月の起算点は、死亡日ではなく「自己のために相続の開始があったことを知った時」です(民法915条1項、裁判所「相続の放棄の申述」)。たとえば疎遠だった親族の死亡を数年後に債権者からの通知で知った場合、そこから3ヶ月を数えるのが原則です。
「借金があるらしいが全容が分からない」「不動産の評価が終わらない」——調査が期限に間に合わないときは、家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てられます(民法915条1項ただし書、裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」)。費用は収入印紙800円分(相続人1人につき)と連絡用の郵便料です。ただし、伸長の申立て自体は3ヶ月の期限内に行う必要があります。
すでに3ヶ月が過ぎてしまった方も、事情によっては申述が受理される余地があります(詳しくはQ&Aで解説します)。自己判断で諦める前に、専門家に相談してください。
【姫路特化】家庭裁判所への申述:管轄と窓口
姫路市にお住まいだった方の相続放棄の申述先は、神戸家庭裁判所姫路支部(〒670-0947 兵庫県姫路市北条1-250)です。JR姫路駅から南東へ徒歩10分の場所にあります(出典:裁判所サイト・2026年7月26日確認)。
相続放棄に関する問い合わせは、代表番号(079-281-2011)ではなく、書記官室・家事事件/記録係の直通 079-281-2080 が窓口です(出典:裁判所「神戸家庭裁判所姫路支部 ダイヤルイン番号一覧」)。窓口の受付時間や手続案内の予約の要否については、事前に姫路支部へ直接お問い合わせください。
管轄裁判所は「亡くなった方の最後の住所地」で決まる
申述先は、申述する人の住所地ではなく、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です(裁判所「相続の放棄の申述」)。あなたが姫路市在住でも、亡くなった親が東京に住んでいたなら、申述先は東京家庭裁判所になります。逆に、県外にお住まいの方でも、亡くなった方が姫路市在住なら姫路支部が申述先です。
播磨エリアの家庭裁判所と管轄区域一覧
播磨エリアの家事事件(相続放棄を含む)の管轄は次のとおりです(出典:裁判所「兵庫県内の管轄区域表」・2026年7月26日確認)。
| 裁判所 | 所在地 | 電話番号 | 管轄区域(家事事件) |
|---|---|---|---|
| 神戸家庭裁判所 姫路支部 | 〒670-0947 姫路市北条1-250 | 079-281-2011(代表)/相続放棄の問い合わせは079-281-2080 | 姫路市、加古川市、高砂市、相生市、赤穂市、神崎郡(市川町・福崎町・神河町)、赤穂郡(上郡町)、加古郡(稲美町・播磨町)、朝来市の一部(旧朝来郡生野町) |
| 神戸家庭裁判所 龍野支部 | 〒679-4179 たつの市龍野町上霞城131 | 0791-63-3920 | たつの市、宍粟市、揖保郡(太子町)、佐用郡(佐用町) |
| (参考)神戸家庭裁判所 明石支部 | 〒673-0881 明石市天文町2-2-18 | 078-912-3233 | 明石市、神戸市西区 |
【重要】管轄の取り違えに注意
同じ播磨エリアでも、たつの市・宍粟市・太子町・佐用町は姫路支部ではなく龍野支部の管轄です。一方、加古川市・高砂市・稲美町・播磨町は地理的に明石が近く感じられますが、家事事件は明石支部ではなく姫路支部が管轄します(加古川市内にあるのは加古川簡易裁判所で、家事事件は扱いません)。
姫路支部の管轄が播磨エリアにとどまらない点も見落とされがちです。朝来市のうち旧生野町の区域だけは姫路支部の管轄で、朝来市のそれ以外の区域(旧和田山町・旧山東町・旧朝来町)は豊岡支部が管轄します。
神戸市内にお住まいだった方の場合は、原則として神戸家庭裁判所の本庁(神戸市兵庫区荒田町3-46-1)です。ただし、神戸市西区は明石支部の管轄区域とされています(神戸家庭裁判所の本庁でも手続きできます)。
期限のある手続きで管轄を取り違えると、書類の出し直しなどで貴重な時間を失います。迷ったら提出前に裁判所へ電話で確認しましょう。
相続放棄手続きのステップと必要書類

手続きは「①必要書類の収集→②申述書の作成・提出→③照会書への回答と受理」の3ステップで進みます。裁判所に納める費用は収入印紙800円分と郵便料のみですが、集める戸籍の範囲は続柄によって大きく変わります。
ステップ1:必要書類の収集
必要書類は「全員共通の書類」と「続柄に応じた戸籍類」に分かれます(出典:裁判所「相続の放棄の申述」・2026年7月26日確認)。
| 区分 | 必要書類 |
|---|---|
| 全員共通 | 相続放棄の申述書/被相続人の住民票除票または戸籍附票/申述人の戸籍謄本 |
| 配偶者 | 上記+被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 |
| 子(第1順位)・その代襲者 | 上記+被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(孫などの代襲相続人は、被代襲者の死亡の記載のある戸籍謄本も) |
| 父母・祖父母(第2順位) | 上記+被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本類など(収集範囲が広がります) |
| 兄弟姉妹・おい・めい(第3順位) | 上記+被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本類、父母の死亡の記載のある戸籍謄本類など(最も範囲が広くなります) |
【注意】先順位の相続人が放棄したことで相続権が回ってきた方(たとえば子の全員放棄後の兄弟姉妹)は、必要な戸籍がさらに増えます。同じ順位の相続人がまとめて申述すると、共通する戸籍類を1通で済ませられます。
なお、神戸家庭裁判所では家事事件に必要な戸籍謄本等について「写し(コピー)を提出していただいても差し支えありません」と案内しています。提出した原本の返却を希望する場合は「原本返却申出書」を原本・写しとあわせて出す運用です(出典:神戸家庭裁判所「相続の放棄の申述」)。銀行や登記の手続きでも同じ戸籍を使う場合は、この扱いを知っているだけで再取得の手間と費用を減らせます。
戸籍集めを速くする「広域交付」——ただし兄弟姉妹には使えない
2024年(令和6年)3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付」が始まりました。本籍が遠方でも姫路市の窓口でまとめて請求でき、期限に追われる相続放棄では効果が大きい制度です。
ただし、相続放棄で使う場面には制約があります。
- 請求できるのは本人・配偶者・直系尊属(父母、祖父母など)・直系卑属(子、孫など)の戸籍に限られます。きょうだいの戸籍は広域交付では請求できず、本籍地の市区町村でしか受け付けてもらえません
- 郵送請求・代理人(委任状)による請求は対象外で、窓口に本人が行き、顔写真付きの本人確認書類を提示する必要があります
- 電子化(コンピューター化)されていない戸籍は対象外です
(出典:姫路市「戸籍の広域交付」・2026年7月26日確認)
つまり、第3順位の兄弟姉妹として相続放棄する方は、最も戸籍の収集範囲が広いのに広域交付を使えないという組み合わせになります。先順位の相続人が放棄して自分に順番が回ってきたケースでは、この点を前提に日程を逆算してください。
ステップ2:申述書の作成・提出
相続放棄の申述書の書式と記載例は、裁判所サイトからダウンロードできます。姫路支部の窓口でも入手できます。氏名・本籍などの基本事項に加えて、放棄の理由や相続財産の概略を記載する欄があります。
提出は窓口への持参のほか、郵送でも受け付けられています(提出方法の詳細は事前に姫路支部へ確認すると確実です)。収入印紙800円分(申述人1人につき)を申述書に貼り、あわせて連絡用の郵便料を納めます。
郵便料の納め方は2通りあります。裁判所は「郵便料は保管金として納付することができ、インターネットバンキングやATMからの電子納付が利用できる」としつつ、「郵便切手により納付することも可能」と案内しています(出典:裁判所「相続の放棄の申述」・2026年7月26日確認)。金額と切手の内訳は裁判所ごとに異なるため、神戸家庭裁判所のサイトに掲載されている予納郵券内訳表を確認するか、姫路支部(079-281-2080)に問い合わせてください。
ステップ3:照会書への回答と受理
申述書の提出後、家庭裁判所から「照会書(回答書)」が届くのが一般的です。放棄が本人の意思によるものか、単純承認に当たる行為をしていないかなどを確認する書面で、事実のとおりに回答して返送します。
問題がなければ申述が受理され、「相続放棄申述受理通知書」が届きます。債権者への証明が必要な場合は、別途「相続放棄申述受理証明書」の交付を申請できます。交付手数料は1件につき150円(収入印紙)です(民事訴訟費用等に関する法律 別表第二)。督促してきた債権者には、受理通知書や受理証明書を示せば、それ以降の対応は基本的に不要になります。
相続放棄にかかる費用と専門家への報酬
自分で手続きする場合の実費は、申述人1人につき収入印紙800円のほか、戸籍謄本類・住民票除票等の取得手数料、連絡用の郵便料が必要です。専門家に依頼する場合は、家庭裁判所への提出書類の作成のみか、手続の代理や債権者対応まで含むかといった業務範囲によって報酬が異なるため、各専門事務所へ個別に見積りを依頼して確認します。
実費の内訳(自分で手続きする場合)
| 費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 収入印紙 | 800円分(申述人1人につき)(出典:裁判所「相続の放棄の申述」) |
| 連絡用の郵便料(電子納付または郵便切手) | 金額・内訳は裁判所ごとに異なる(神戸家庭裁判所の現行表を確認するか、姫路支部へ問い合わせる) |
| 戸籍全部事項証明書(戸籍謄本) | 1通450円(出典:姫路市「主な証明の種類と手数料」) |
| 除籍・改製原戸籍の謄本 | 1通750円(同上) |
| 住民票除票・戸籍の附票 | 1通300円(同上) |
| 相続放棄申述受理証明書(必要な場合) | 1件150円(民事訴訟費用等に関する法律 別表第二) |
※ 手数料は自治体によって異なる場合があります。上記は姫路市の額です(2026年7月26日確認)。第2順位・第3順位の申述では戸籍の通数が増え、取得費用がかさむこともあります。
専門家に依頼すべきかの線引き
書類がそろっていて期限に余裕があれば、ご自身での手続きも十分可能です。一方、次のいずれかに当てはまる場合は、専門家への依頼が安全です。
- 3ヶ月の期限まで残りわずか、またはすでに過ぎている
- 相続人が多い・疎遠で、戸籍の収集が難航しそう
- 債権者からの督促が続いており、対応を任せたい
- 借金と財産のどちらが多いか分からず、放棄すべきか判断がつかない
とくに4つ目の「放棄すべきかどうか」は、手続きの前段階の問題です。財産調査と相続税の試算をしてから判断したい方は、この後の【税理士の視点】もご覧ください。
期限が迫っている方へ
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【専門家解説】相続放棄で絶対にしてはいけないNG行為(単純承認とみなされる行為)
次の行為をすると「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります(民法921条)。
- 被相続人の預貯金を引き出して使う(生活費への充当など)
- 被相続人の借金を、相続財産から返済する(督促に慌てて故人の預金で支払うケースが典型です)
- 不動産・車などの売却、名義変更、取り壊しといった財産の処分
- 高価な形見分けを受け取る(貴金属・美術品など財産的価値のあるもの)
- 放棄した後でも、相続財産を隠したり私的に消費したりする(放棄後でも単純承認とみなされます)
民法921条1号は「相続財産の全部又は一部を処分したとき」を法定単純承認としています。督促状に慌てて故人の預金から返済してしまうと、この処分行為に該当するおそれがあります。導入でもお伝えしたとおり、支払う前に立ち止まってください。相続放棄が受理されれば被相続人の債務を引き継ぐことはありませんが(民法939条)、相続人自身の固有の債務や連帯保証債務などは別です。また、相続財産に手を付けずご自身の資産から支払った場合でも、資金の出所、金額、経緯などの個別事情によって支払行為の法的な評価が分かれることがあります。そのため、督促が届いても自己判断で支払わず、事前に専門家へ確認することが重要です。
なお、相続財産からの葬儀費用の支出についても、金額や内容によって評価が分かれることがあります。そのため、支出する前に専門家へ確認するのが安全です。判断に迷う行為は「する前に相談」が鉄則です。
【税理士の視点】相続放棄をしても相続税に影響が残る3つの注意点
相続放棄をしても、相続税の計算では「放棄がなかったもの」として扱われる場面があります。場合によっては、放棄した本人に相続税がかかることもあります。手続きの解説では語られにくい、税理士だからこそお伝えしたい論点です。
前提として、「相続人として数えるかどうか」と「その人が相続人かどうか」は別のルールで動きます。放棄した人は民法上は初めから相続人でなかったものとされますが(民法939条)、相続税の控除額を計算するときの「法定相続人の数」だけは、放棄がなかったものとして数えます(相続税法15条2項)。この二重構造が、以下の3つの注意点を生みます。
注意点1:基礎控除・生命保険非課税枠の「法定相続人の数」は放棄がなかったものとして計算
相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と生命保険金の非課税限度額(500万円×法定相続人の数)に使う「法定相続人の数」は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数で数えます(相続税法15条2項・12条1項5号、国税庁タックスアンサーNo.4152・No.4114、令和8年4月1日現在法令等)。
たとえば一人息子が放棄して、相続権が被相続人の兄弟4人に移っても、基礎控除は「子1人」で計算した3,600万円のままです。放棄によって相続人の頭数が増えても、控除額は増えません。逆に、あなたが放棄しても、残る相続人の基礎控除が減ることもありません。
相続税申告の流れやサービス内容は相続税申告サービスで紹介しています。
注意点2:放棄しても死亡保険金は受け取れる。ただし非課税枠は使えない
死亡保険金は受取人固有の権利のため、相続放棄をしても受け取れます。ただし税務上は、放棄した人が受け取る保険金は遺贈により取得したものとみなされて相続税の課税対象になり、しかも「500万円×法定相続人の数」の非課税枠を使えません(相続税法3条1項・12条1項5号、国税庁タックスアンサーNo.4114、令和8年4月1日現在法令等)。非課税の適用があるのは「相続人」が取得した保険金に限られ、国税庁も「相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません」と明記しています。
つまり「借金は放棄で免れたが、受け取った保険金に相続税がかかった」という結果があり得ます。なお、遺族年金や未支給年金などの公的年金給付は、一括して当然に受け取れるわけではありません。日本年金機構が定める生計同一関係や優先順位などの請求者要件を満たす必要があります。ただし、JR・JT・NTT・農林共済が支給する共済年金を受け取っていた方の未支給分については、法定相続人が請求できるとされています(日本年金機構)。遺族給付は種類ごとに受け取れる要件が異なるため、請求にあたっては、年金事務所などで個別の要件を確認してください。まとまった保険金を受け取る予定がある方は、放棄の前に税額への影響を試算しておくことをおすすめします。
注意点3:債務控除・葬式費用の控除は使えない。2割加算は続柄で結論が分かれる
放棄した人が保険金や遺贈で財産を取得して相続税がかかる場合、税額を減らす側の規定でも不利になります。被相続人の借金などを課税価格から差し引く「債務控除」は、相続人または包括受遺者に適用される規定のため、相続を放棄した人には適用がありません(相続税法13条1項、相続税法基本通達13-1)。
ただし例外があります。同じ通達は「その者が現実に被相続人の葬式費用を負担した場合においては、当該負担額は、その者の遺贈によって取得した財産の価額から債務控除しても差し支えない」としています。放棄した人が実際に葬式費用を出したときは、その分だけは差し引けるという扱いです。
もうひとつ、相続税額が2割増しになる「2割加算」(相続税法18条)は、放棄したかどうかではなく被相続人との血族関係で決まります。対象は「被相続人の一親等の血族および配偶者以外の人」です(国税庁タックスアンサーNo.4157、令和8年4月1日現在法令等)。
| 放棄した人の続柄 | 2割加算の対象か | 理由 |
|---|---|---|
| 子(第1順位) | 対象外 | 放棄しても一親等の血族であることは変わらない(相続税法基本通達18-1) |
| 父母(第2順位) | 対象外 | 同じく一親等の血族にあたる |
| 兄弟姉妹(第3順位)・おい・めい | 対象 | もともと二親等以遠のため(相続税法18条1項) |
放棄した兄弟姉妹が死亡保険金や遺贈で財産を受け取ると、非課税枠が使えないうえに税額が2割増しになるという重ね方になります。第3順位で相続放棄を検討していて、かつ保険金の受取人にもなっている方は、放棄の前に必ず試算してください。
放棄すべきかどうかは、財産調査と税額試算で決める——みそらの関わり方
借金がある場合でも、資産と債務の全容を詳しく調査・整理することで、相続放棄が本当に適切な選択肢かを冷静に見極められます。3ヶ月という限られた期間の中で重要なのは、焦って即断するのではなく、まず財産の全体像を正確に把握することです。
士業ごとの役割分担を整理すると、家庭裁判所に提出する申述書類の作成は司法書士、家庭裁判所手続の代理や債権者との交渉は弁護士の職域です。税理士法人は放棄すべきかの法律判断や申述手続きの代理を行うことはできませんが、税務の視点から財産状況の整理や相続税額の試算を行い、判断のための情報整理をサポートします。みそら税理士法人では、グループ内または外部パートナーの司法書士・弁護士など8士業と連携し、1つの窓口で対応します。
相続には「放棄」以外に2つの選択肢がある
3ヶ月の熟慮期間に選べるのは、次の3つです。財産と借金のどちらが多いか分からないときは、限定承認という第3の道もあります。
| 選択肢 | 引き継ぐもの | 期限 | 手続き |
|---|---|---|---|
| 単純承認 | プラスの財産も借金もすべて | 何もせずに3ヶ月が過ぎると自動的に確定(民法921条2号) | 手続き不要 |
| 相続放棄 | 一切引き継がない | 知った時から3ヶ月以内 | 相続人が単独で家庭裁判所に申述(民法938条) |
| 限定承認 | プラスの財産の範囲内でのみ借金を引き継ぐ | 知った時から3ヶ月以内 | 相続人全員が共同して家庭裁判所に申述(民法923条)。財産目録の作成・提出が必要(民法924条) |
限定承認は相続人全員の足並みがそろわないと選べず、手続きも重くなります。検討する場合は早めにご相談ください。
放棄すべきか迷ったら、まず財産の全体像から
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相続放棄のよくある質問Q&A
Q1. 相続放棄の手続きは誰に頼む?司法書士・弁護士・税理士の違いは?
家庭裁判所に提出する申述書類の作成は司法書士または弁護士、家庭裁判所での手続代理や債権者との交渉まで任せたい場合は弁護士に依頼します。税理士は申述手続きの代理や法律判断は行えませんが、財産状況の整理や相続税額の試算など税務の面からサポートする役割です。みそら税理士法人では、税理士をはじめ弁護士や司法書士など8士業がグループ内または外部パートナーとして連携しており、1つの窓口でご相談をお受けして適切な士業と協力しながら対応します。
Q2. 3ヶ月の期限を過ぎてしまったら、もう放棄できない?
原則としてできません。ただし、被相続人に相続財産が全くないと信じ、そのように信じたことに相当な理由があると認められる場合で、相続財産の存在を認識した時から3か月以内に申述したときなど、事情によっては期限経過後であっても申述が受理される余地があります(出典:裁判所「家事事件Q&A」)。受理されるかどうかは個別の事情に応じた家庭裁判所の判断となるため、「もう3か月を過ぎたから無理だ」と自己判断で諦めず、速やかに弁護士や司法書士に相談してください。時間が経つほど経緯の説明や立証が難しくなります。
Q3. 親族みんなが相続放棄をすると、借金や財産はどうなる?
相続権は第1順位の子(民法887条1項)から、父母などの直系尊属、兄弟姉妹の順に移ります(民法889条1項、国税庁タックスアンサーNo.4132)。
注意したいのは、先順位の放棄を次の順位の親族に知らせる公的な通知はないことです。ある日突然、督促状で自分が相続人になったと知る——という事態を防ぐため、放棄したら次順位の親族へ一報を入れましょう。
全員が放棄した場合、相続財産は利害関係人などの申立てで選任される「相続財産清算人」が清算します。また、放棄した時点で被相続人の家に住んでいるなど財産を現に占有している場合は、相続人や清算人に引き渡すまで自己の財産と同一の注意で保存する義務が残ります(民法940条1項)。
Q4. 相続放棄をしたら市役所に連絡する?
家庭裁判所での手続きが受理されれば、市役所への届出は不要です。ただし固定資産税は、毎年1月1日時点の課税台帳に基づいて納税通知書が送られる仕組みのため、放棄が受理された後も通知書が届く場合があります。通知書が届いたときは、相続放棄申述受理通知書(または受理証明書)を用意したうえで、姫路市など資産所在地の市町の資産税担当窓口に取り扱いを確認してください。
姫路の相続放棄はスピードが命!まずは専門家にご相談ください
相続放棄は「知った時から3ヶ月」の一発勝負です。姫路支部への申述の準備と、放棄すべきかを見極める財産調査・税額試算を、期限から逆算して同時に進めることが、失敗を避ける最も確実な進め方です。
要点は次の3つです。
- 期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内。伸長の申立ても期限内に
- 督促が来ても、相続財産から支払わない。単純承認とみなされる行為が最大の落とし穴
- 姫路市の申述先は神戸家庭裁判所姫路支部。ただし、たつの・宍粟・太子町・佐用町は龍野支部
みそら税理士法人は、相続・遺言・事業承継などの相談解決1,000件以上(自社公表の累計実績)の経験と、グループ内または外部パートナーによる8士業の連携体制で、姫路オフィス(姫路オフィス案内)を拠点に播磨エリアの相続を支えています。姫路市内の相談先の全体像は「姫路の相続相談窓口」でも紹介しています。
なお、相続放棄は生前にはできません。親の借金や引き継ぎたくない実家への備えを生前に始めるなら、遺言書の作成など別の対策が選択肢となります。また、放棄せずに不動産を相続する場合は、2024年から義務化された相続登記の期限にも注意が必要です。
姫路の相続放棄・相続のご相談はみそら税理士法人へ

期限まで時間がない方も、放棄すべきか迷っている方も、まずは現状の整理からお手伝いします。初回のご相談は無料です。
フリーダイヤル:0120-928-544(受付 9:00〜19:00・土日祝を除く)/無料相談フォーム
参考文献・出典
- 裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html (2026年7月26日確認)
- 裁判所「家事事件Q&A」 https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kazi/index.html (2026年9月21日確認)
- 裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_25/index.html (2026年7月26日確認)
- 裁判所「兵庫県内の管轄区域表」 https://www.courts.go.jp/about/sosiki/kankatu/hyogo/index.html (2026年7月26日確認)
- 神戸家庭裁判所「管内支部等所在地一覧」 https://www.courts.go.jp/kobe/vc-files/kobe/file/30203003.pdf (2026年9月30日確認)
- 裁判所「神戸家庭裁判所 姫路支部」 https://www.courts.go.jp/kobe/about/syozai2/himezisibu/index.html (2026年7月26日確認)
- 裁判所「神戸家庭裁判所姫路支部 ダイヤルイン番号一覧」 https://www.courts.go.jp/kobe/about/syozai2/dialin_himezi/idnex.html (2026年7月26日確認)
- 神戸家庭裁判所「相続の放棄の申述」 https://www.courts.go.jp/kobe/saiban/souzoku/index.html (2026年7月26日確認)
- 姫路市「戸籍の広域交付」 https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000026840.html (2026年7月26日確認)
- 姫路市「主な証明の種類と手数料」 https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000003255.html (2026年7月26日確認)
- 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/kyotsu/jukyu/20140731-01.html (2026年4月1日更新・2026年9月21日確認)
- 日本年金機構「未支給年金請求案内」 https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/kyotsu/20140731-02.files/514.pdf (2026年9月21日確認)
- e-Gov法令検索「民法」(887条・889条・915条・921条・923条・924条・938条〜940条) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (2026年7月26日確認)
- e-Gov法令検索「相続税法」(3条・12条・13条・15条・18条) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000073 (2026年7月26日確認)
- e-Gov法令検索「民事訴訟費用等に関する法律」別表第二 https://laws.e-gov.go.jp/law/346AC0000000040 (2026年7月26日確認)
- 国税庁「相続税法基本通達 第13条《債務控除》関係」(13-1) https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/03.htm (2026年7月26日確認)
- 国税庁「相続税法基本通達 第18条《相続税額の加算》関係」(18-1) https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/05.htm (2026年7月26日確認)
- 国税庁タックスアンサーNo.4152「相続税の計算」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4152.htm (令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサーNo.4114「相続税の課税対象になる死亡保険金」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm (令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサーNo.4126「相続財産から控除できる債務」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4126.htm (令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサーNo.4157「相続税額の2割加算」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157.htm (令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサーNo.4132「相続人の範囲と法定相続分」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4132.htm (令和8年4月1日現在法令等)
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