会社の現金を増やすにはどうすれば?キャッシュフロー改善の着眼点

こんにちは。 みそら税理士法人の立里です。

企業の経営者様から、「こんなにも売上が伸びているのに、決算書では利益が出ているのに、なぜか手元の現金(キャッシュ)は増えていない」というご相談をいただくことがよくあります。これは多くの経営者を悩ませる疑問です。

会計上の「利益」と実際の「お金の流れ」は基本的には一致しません。この一致しないズレを放置し、どんどんズレが大きくなっていくと、最悪の場合は黒字倒産となってしまうのです。

今回は、なぜこのようなことが起こるのか、代表的な理由を2つ説明したあと、改善に向けてどこに注目すればよいのか解説します。

 

Ⅰ.なぜ「利益」と「手元の現金」は一致しないのか?

 

結論は、利益を計上するタイミングとお金が出入りするタイミングが異なるからです。
特に大きな原因になり得る2つを紹介します。

① お金が出ていかない費用(減価償却費)
高額な機械などを購入した場合、その費用は数年にわたって少しずつ費用計上されます(減価償却費)。この費用は、会計上の経費なので利益を減らしますが、費用計上したときに実際にその金額を払っているわけではありません。これが利益と現金のズレに繋がります。

② 費用にならない支出(借入金返済)
銀行などから借りたお金を返済する際、元金の部分は費用にはなりません。しかし、返済の際には現金が会社から出ていきます。たとえば毎月元金30万円を返済する場合、利益は減りませんが、現金は30万円減ることになります。これが利益と現金のズレに繋がります。

 

Ⅱ.会社のお金の流れを知る「キャッシュフロー計算書」の3要素

 

会社のお金の流れを把握するために作られるのがキャッシュフロー計算書です。
キャッシュフロー計算書は会社のお金の流れを、「①本業の稼ぎ」「②将来への投資」「③資金の調達・返済」という3つの活動に分けて表示する帳票です。

① 営業キャッシュフロー
本業でどれだけ現金を稼いだかを示します。
本業が順調である会社であれば、通常はプラスになります。

② 投資キャッシュフロー
将来のために設備や機械にどれだけ投資したかを示します。
創業間もない会社や成長中の会社は投資が集中するため、マイナスになることが多いです。

③ 財務キャッシュフロー
銀行からの借入や返済によるお金の出入りを示します。
借入をすればプラスに、返済すればマイナスになります。

 

例えば、設備投資を行わずに、本業で儲けた利益から借入金の返済をしている会社は、営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローがゼロ、財務キャッシュフローがマイナスになります。

 

Ⅲ.キャッシュフローを改善するための着眼点

 

手元の現金を増やすにはどうすれば良いのでしょうか。そのヒントは、先ほど紹介した3つのキャッシュフローの「バランス」にあります。
営業キャッシュフローのプラスが、投資キャッシュフローや財務キャッシュフローのマイナスを打ち消すくらい多ければ、会社のお金は自然と溜まっていくでしょう。
一方で、投資キャッシュフローや財務キャッシュフローのマイナスが、営業キャッシュフローのプラスを打ち消すくらい多ければ、まさに黒字倒産に向かって行ってることになります。
この3つのキャッシュフローのバランスを把握すること、見直すことが、お金が残る会社になるための第一歩になります。

 

Ⅳ.まとめ

 

中小零細企業においては、会計上の「利益」は重要ですが、それよりも手元にどれだけ「現金」があるかが大切になります。
まずは、ご自身の会社のキャッシュフロー計算書を、3つのキャッシュフローのバランスという視点で眺め、お金がどのように流れているのかを把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

当法人では、決算書の分析を通じた経営改善の提案も行っております。ご自身の会社のキャッシュフローについて気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

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